前回はベイエリアに進出している日本企業が増え、進出社数が過去最高を記録した話しや進出している企業層が過去のブームと比較し変化している事、そして進出数増大の背景にあるベイエリアの好調な経済、それを支えるstartupのマクロの概況について話しをした。今回はstartupの行動原理や取り巻く環境、日本企業に対する認識などについて書いていきたい。
ゾウの時間、ネズミの時間
3ヶ月近く前に日経で記事になっていた、ベイエリアに進出する日本企業が過去最大となったという記事を思い出し、少し書いてみようと思った。過去、シリコンバレーでのコーポレートベンチャーキャピタルの企画・立ち上げ後、実際にキャピタリストとして投資活動を行い、一時日本に戻って彼の地のスタートアップとのビジデブを担当し、そして再びベンチャーキャピタリストとしてシリコンバレーに戻ってきた体験を共有したい。そして現在シリコンバレーを目指す、又は既にこちらに拠点を構える日本企業にとって有益な情報となれば、と思う。
いろんなところで読んでいただいているようで、このシリーズの内容についてお話しをしてほしいという依頼もちょこちょこ出てきており、きちんと続けていかないといけないなと改めて思った次第。
前回は、ベイエリアにおいて投資にせよビジデブにせよ、そもそも論として企業の姿勢や心構え的な部分の話をした。今回はCVC(Corporate Venture Capital)、事業会社によるstartup投資に特化したファンド・子会社、のあるあるというか起こり得る問題について議論していこうと思う。
前回からあっという間に一年近くも経ってしまったのは自分でも驚いているが、これからも続きを書こうと思う。ドラフトは実は半年前に書いてあったので若干今とずれているところもあるかもしれないが、今の状況に合わせて読み替えてもらえれば。
さて前回まではstartupの行動原理を含め、ベイエリア・シリコンバレーの概況的な話しをしてきたが、今回からは具体的に日本企業が陥りがちなpitfallについて書いていければ。日経ビジネスオンラインでもスタンフォードにいる日本人の先生が同じようなテーマで書かれているが、政策提…
前回はCVC周りで起こるよくある失敗や問題点について議論をしたが、今回はシリコンバレーを中心とした事業会社のビジネスデベロップメント(ビジデブ)活動において起こり得る同様の内容について。
こちらで大手経済新聞社やISP事業者などの事業会社のビジデブ担当の若い人たちが中心となって、過去の失敗や経験を学ぶための自主的な勉強会(Shungiku)を開催しており、先日その勉強会に参加してこの辺りの議論を行ったのでそれも踏まえた内容を共有したい。
4月に行ったhacker dojoでのこのブログに関する講演は大変盛況で100名近く(瞬間風速的に立ち見の方もいらっしゃったようで)の参加者の前でお話させていただきました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
QAセッションやネットワーキングの際、色々なご質問をいただいたが、未だにこちらでの活動(特に本社との関係)において苦労している日本企業がたくさんあるなと実感した。そして相変わらず事前に用意できていれば避けられた問題もあるように思った。このブログやその他活動を通して「しなくていい苦労」や「無用な問題」を回避・解決できればと改めて思っ…
前回は大企業で新規事業がなかなかうまくいかない原因を「内部統制」と「メンタリティ」にあるとした。内部統制は言い換えれば社内ルールであり、メンタリティはその社内ルールを運用してきた長い年月の中で築き上げて来た社内風土や社会(会社?)通念といっても良いかもしれない。
これはもう根の深い問題であることには間違いないのだが、一方ここを攻略せずにどんな取り組みを実施したとしても魂の入っていない箱物行政のような結果に陥ることは明らかだし、現にここに手を入れることなく新規事業推進・オープンイノベーションをうたってうまくいった事例を見聞きすることはほとんどない。
自身への備忘も兼ねて、新年1発目のブログとして残しておこうと思ったら、随分長いこと書いてないことに唖然。。。
昨年来ICO(Initial Coin Offering: ざっくりと仮想通貨を使った資金調達方法)が話題になっているが、途中まではblockchain関連銘柄に関してICOでの調達額がVCの投資額を超えたと好意的な内容が多かった一方で最近ではICOを実施している企業の大半がscam/fraudで、ICOを禁止する国も出てきたりと、随分と反対の方向に振れている。
立て続けにニュースで日本企業のいい流れがあったので、少し紹介したい。ちゃんと過去に学び、新しい形へ進化している日本企業もあるという好例だし、他の企業もこういった良い事例をどんどんを取り入れて欲しいと願う。
一つ目はHonda。