嶋タケシ 【第八回】
* この物語はフィクションです。
彼は同時にゴジラと同じサイズの、素焼き風のハニワも作っていたのだ。
タケシは大学院の最終審査会を公開のパフォーマンス仕立てにしたいと教授たちを説得した。会場となった芸大ギャラリーには、青海波の屏風四〇枚がセットされ、その真ん中にゴジラとハニワが並んで立っていた。正面に、審査をする教授たちの席が用意され、その周りには、タケシが何か面白いことをするらしいという噂を聞きつけた同級生や後輩たちが集まっていた。むかしの、カルマの公演のような熱気だった。タケシの作品には、《六年間の結婚生活…