「あれだけ、車乗らない、って云ってたくせに。」

免許を持たない著名人は多い。

ジャズミュージシャン・文筆家の菊地成孔、言わずと知れたメジャーリーガーダルビッシュ、爆笑問題2人とも。

そして小説家村上春樹も確か30代か40代の時にヨーロッパで生活しようと決めた時に、ヨーロッパで車なしでの移動は現実味がないということで、免許を取得したはずだ。

かくいう私も、つい1年ほど前までは

「狂者になった日」

いつの間にか、自分が異邦人になっていた。
これほどに恐ろしいことがあるだろうか。

“baseball never hurt anyone”

That’s what she said.

「咳をしても一人。ブレスミー。」

「これはお酒です‼︎」

そう書かれたグラスに水が注がれてやってきた。
その日の鳥貴族には週末の空気が鬱陶しいほどに満ち溢れていた。
大学祭が迫ると、その準備に追われた人々が景気づけ、お疲れ会など無数のボキャブラリーを駆使してネーミングして安酒場に集まる。
僕は、学祭ではすることがないから、そういう見知らぬ人が準備を行なっている姿を観ながら、勝手な、そして数奇なる想像を肴に、お酒を飲むのが好きだ。

「無題」

「嫌ならもう来んなよ、じゃあ。」

教室を後にした。

街の纏う匂い

2日間、見ず知らずの「小さな街」を駈けずり回っていた。

その「小さな街」を訪れたのは全くの初めてだったが、2日間与えられた仕事をテキパキとこなせば、それ相応のアルバイト代がもらえる、というわけで、やらない理由は特になかった。

むしろ、年がら年中、お金がもう少しあれば楽に生活にできるのに、などと思案してばかりいる学生にとっては、交通費も支給され、即日に現金でバイト代が全額支給される、などという仕事は魅力的に過ぎた。

「人生の切れ端2時間分をこっちに寄越してみろ、おれが映画にしてやるから。」

映画「探偵はBARにいる」の中で、黒の革コートに身を包んだ、高嶋政伸扮するギャングが、20秒後には高嶋によって射殺されているであろう、恐怖に震える人間を視界の中央に捉え、こう静かに宣告する…

大統領選挙 feat.フリースタイルダンジョン , 口喧嘩の強い女の職業を決めるトーナメント

”お酒 mediated 夜話”と称して2本の文章をあげてきた。
「夜、お酒を飲んでいる部屋でちょびちょびお楽しみください」
という文言を巻頭のことば、とした。
だがよく考えると、アルコールの入り過ぎた人間には文字を追うことなどできない。

人工知能の嵐がやってくる前夜にはまことに、涙がちょちょ切れそうな話

7：40 スマホで天気予報の画面を呼び出し、服装、帽子を選ぶ
7：45 カシャンと鍵束を振ってズボンの右ポケットに入れる
7：46 エレベータが到着するまでに、ウォークマンを取り出す
7：47 エレベータの中にいる人に会釈し、最初の一曲を「選曲」する
7：48 エレベータを降りたところで音が鳴るように再生ボタンを押す

「ある少年について。」

彼は恐らく21世紀に生まれた。

20世紀という涙と死と肩肘張った歴史を受け継がないまっさらの世紀の子どもたち。