別れる
1/30、製本された生活史集が届いた。札幌へ行き、話を聞き、文字起こしをし、編集をし、レイアウトをし、表紙をつくった過程を思い起こす。長い制作を経て、形になったことが素直に嬉しかった。製本され、重みのある形になると、語りの分厚さを思い知らされた。箱に整頓された本を眺めながら、この本が語り手にどのように受け取られるのか、少し不安でもあった。
15冊の本を抱えて札幌に向かい、話し手の皆さんに直接手渡した。郵送も考えたが、本に初めて触れる瞬間に立ち会いたかったため、できる限り直接会って渡すことにした。自分がつくったものを人に見せる時間は、何度やっても慣れない。「本を渡したい」と連絡をしておき…