祖父母、この不思議な存在。誰にでも四人いる、というけれど、自分には実質、祖父母は合わせて三人しかいない。父方の祖父、祖母、母方の祖母だけだ。
母方の祖父は? 実は一切会ったことがない。名前も知らない。今、生きているのか、死んでいるのかすらわからない。他の祖父母三人は全員物故したので、もしこの名も知れぬ母方の祖父が生きていたら、彼が「生存する唯一のソフボ」ってことになる。息してんのか。確認する術すらないけど。
「奪う・与える」
私の祖母“ばばちゃん”が他界したのはもう十年以上も前だ。パーキンソン症候群で寝たきりとなった祖母を埼玉の実家で母を中心に自宅介護をしていて、ちょうど私の規制のタイミングと祖母の最期が重なった。少しずつ衰えていることは目に見えてわかっていたので皆覚悟はしていたが夏の朝早くその時が来た。皆でかわるがわる大きな声で祖母に呼びかける中で大きく最後の一息をして逝ってしまった。その間、まだ幼かった私の子供たちが何もわからずぐるぐるとそのベッドの周りで走ったりおしゃべりをしたりと機嫌よく陽気にしていたので想像していたよりからりとした別れになった。
「おじいちゃんおばあちゃんと旅行に行って」
昨年、僕が「八年前に行った車山に行きたい‼︎!」と無理を言って、二泊三日、おじいちゃんとおばあちゃんと長野県の車山などに行った。 昔のことをたくさん話しながら山を歩いたことは今も忘れられない。
おじいちゃんもおばあちゃんもおいしそうなものを見つけたらなんでも食べる食べる。