ブロックチェーンとトークンエコノミーはどのような変化をもたらすのか？

【要約：ブロックチェーンによって生まれるトークンエコノミーは、シェアリングエコノミーよりも大きな領域に及び、貨幣をはじめとした公共財のやりとりをしなやかなものにする。特に、これまで貨幣経済の影に隠れて…

What Changes Will Come from Blockchain and the Token Economy?

(Summary: The token economy created by blockchain will encompass a larger domain than a sharing economy, and make the exchange of public goods such as money more flexible. In particular, the value of social capital and…

集権化と分散化と協働。シェルが描く３つの未来シナリオ

私たちは集権化と分散化が同時に進展する世界で生きています。集権化と分散化が進む社会では、どのような未来を生きることになるかについて、ロイヤルダッチシェル…

スリランカ政府が仮想通貨を発行することのメリットーステーブルコインという選択肢ー

今回は、スリランカ 政府が仮想通貨の発行を通じて資金調達をすることについて私論をまとめてみた。仮想通貨の今後の普及の動向、ステイブルコインという考え方、仮想通貨による資金調達のメリット、スリランカ のとる戦略、という観点でまとめた。

１ 発展途上国などで普及が見込まれる仮想 通貨

仮想通貨の未来〜アフリカの基軸通貨としての未来？

１ 仮想通貨がアフリカの通貨になる？

ゴールドマンサックスのストラテジストのザック・パンドル氏とチャールズ・ヒンメルバーグ氏は「自国通貨が十分に機能していない国・地域では、仮想通貨が通貨の選択肢になり得る」という内容のレポートを今年の1月10日出した。そうした中央銀行への不信感が強い地域や自国通貨が十分機能しない国々がある地域としてサハラ砂漠以南のアフリカを例に挙げている。これらの地域では、ゴールドなどの価値が安定した財産としてビットコインが考えられているとのことである。

沖縄の歴史から考えてみる琉球コインとは？

（１）琉球コインのニュース

昨年４月１５日、仮想通貨技術「ブロックチェーン」を活用して琉球コイン（仮）をつくり流通させる構想を県内の金融機関、企業が検討していることがわかった。ビットコイン、円、ドルと換金できること、世界中に42万人いるとされるウチナーンチュや沖縄を訪問する観光客、琉球空手を通じて沖縄に関心を持った空手家などがターゲットだ。今回の論考では、沖縄の過去、現在を通じてなぜ、沖縄のビットコイン構想を論じながら、それとの関連でZEN OSの描く未来像を提示したい。

仮想通貨で国家ができるとき

（１）近代的な国家とは

私たちは、「誰でも仮想通貨を使って国家をつくる未来」を毎日思い浮かべながら日夜開発に勤しんでいる。

近代的な国家とは、領土、国境に囲まれた国土、政府、主權が必要な条件であるとされた。そして、国家は主權や政府を維持するために、治安を維持するための警察機構や国家そのものを守るための軍隊機構が必要であった。警察とは国民を守るための実力部隊であり、軍隊とは国家、政府、統治機構そのものを守るための実力部隊である。国土や主權を脅かされたときに、動くのが軍隊であり、歴史上軍隊がしばしばクーデターを起こしてきた…