ブロックチェーン間を繋ぐLoom Plasmaはもうすぐそこだ!

実践的Plasma (vol. 1 ) : ゲーミング

Loom NetworkによるPlasma技術実用のシリーズ記事

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15 min readApr 29, 2018

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本記事は、Practical Plasma (Volume I): Gaming(Matthew Campbell) の翻訳です。万一誤訳などありましたらPrivate Note機能でお知らせ下さい。

更新情報: 2018年6月、我々はPlasma Cash実装をリリースした。リリース発表記事をこちらでチェックしよう

このシリーズの記事:

Loom Network & Plasma

実践的Plasma (vol. 1 ) : ゲーミング

Plasma Cashイニシャルリリース — Loom Networkサイドチェーン上でPlasmaで裏付けられたNFTが利用可能に

万が一ご存知でない場合のために…

Plasma(血漿)は血液中の化学物質のことじゃないーブロックチェーン世界では、Plasmaはブロックチェーン間の安全な入金と引き出しを行えるようにする技術のことだ。

これはまるで眠ることのないデジタルなセキュリティ保護のようであり、全ての盗難の試みを100%回避するものだ。

…そしてそれは動き始めている。

事実、今現在 イーサリアム・コミュニティの誰かとの会話で、最初の5分Plasmaに触れずに話すことは実質不可能だ。

みんなPlasmaについて盛んに話題にしてる。

…どういうことだかわかるだろうか?

我々Loom Networkも同じくPlasmaの可能性に非常にエキサイトしている。

Plasmaの技術的レイヤーに手こずらないようにすること(そして気を散らさないこと)は重要である。

結局のところ、新しい技術はこれまでにない経験を可能にするもの、そしてエンドユーザーの生活をより楽にするものであるべきで、自分自身が夢中になるためのものであってはならない。

今日は、我々のPlasma実装が使える新しい(そして超クールな)タイプのゲームについて内部情報を公開していこう。

Plasmaを背後にして相互接続されたブロックチェーンシステムで何が可能かを説明する、興味深い例をいくつか見ていく。

…遠い将来のある時点でこれらの例が生まれるのではなく、これらすべての例はかなり近いうちに現実となるものだ

1. デッキをトランスファーしてサイドチェーン上でプレイする

“CryptoZombies Battleground” はLoom Networkが構築しているカードプレイゲームだ。カードはイーサリアム上に保存された非代替トークン(NFT)で表され、バトルはサイドチェーン上で行われる。

あなたが友達グループとビールを片手にマジック:ザ・ギャザリングのような楽しいカードゲームをプレイしているところを想像してみよう。

唯一の違いは、この場合あなたの全カードゲームがブロックチェーン上でプレイされるということだ。

あなたのカードは、非代替トークン(NFT)と呼ばれるもので表され、つまり各トークンはユニークで識別可能であり、1人の所有者のもとに属する。 ちょうど現実のトランプカードのようなものだ。

だが実際には — イーサリアム上でマジック:ザ・ギャザリングのようなカードバトルゲームをプレイすることは不可能である。

なぜなら文字通りゲーム中の各アクションにガス料金を支払う必要があり、非常に高くついてしまうからだ。それに加えてあなたが起こす全ての動きに対し、MetaMask経由でトランザクションへの署名が要求されるので、UXの観点での摩擦が多くなる。

手短にいうと、ブロックチェーンのゲームを急にプレイするのは厄介なことになり過ぎるのだ。

サイドチェーンは摩擦のないブロックチェーン・ゲーミングのための解決策だ

イーサリアム上でバトルを行う代わりに、我々は単純にカードをNFTとしてイーサリアム上に保存しておきながら、全ゲーム&バトルのロジックはLoom Plasmaチェーンにて処理することが可能である。

プレイヤーはバトルの間だけ自分のカードをLoomチェーンに移転し、バトルが終わるとLoom Chainはカードを元に戻す。

こうすることで、ゲームをプレイしていない間もプレイヤーはセキュリティを心配する必要がなくなる。

アイドル状態の全ゲーム資産は完全に安全なのだ。

しかしちょっと待て — ゲームプレイ中についてはどうなのか?もしLoomチェーンがカードを盗んだとしたら?

もしユーザーが自身のアセットをゲームの間Loomチェーンに移転したら、これはつまり彼らはLoomチェーンのコンセンサスアルゴリズムを信用しているということになる、そうだろう?

だが結局のところ、彼らはゲームをプレイするためにLoomチェーンにカードを移転し、ゲームが終了するとLoomチェーンがカードをもとに戻すことを信用しているのだ。

ここでPlasmaの出番だ。

Plasmaでレスキューだ!

Plasmaは、サイドチェーンのコンセンサスアルゴリズムを信頼することなく、資産の元々の所有者がそれらをサイドチェーンに転送することを可能にする。

もしあるバリデーターによって詐欺的なトランザクションが行われた場合、資産の所有者はPlasma Exitを開始し、自身のカードをもとのメインチェーンに引き出すことができる。こうして、入手が難しいゲーム資産のデジタルな窃盗を効果的に防ぐこととなる

これは両世界のベストな面を我々に与えてくれる:

  • プレイヤーはイーサリアムのような完全に分散されたブロックチェーン上の資産に対する本物の所有権を持つことができる。
  • これら資産は高いスループットとなるよう最適化されたサイドチェーン上でゲームをプレイするのに使用することができる。そのためユーザーは各アクションに高いガス代を支払う必要がない。
  • サイドチェーン上の資産はPlasmaによって安全が守られている。これが意味するのは、サイドチェーンが資産を盗もうとする詐欺的試みにイーサリアム上で簡単に意義と唱えることができるので、完全に安心してサイドチェーンへと資産を転送することができる。

本質的には、Loomチェーンはカードバトルを行うための高パフォーマンスなサイドチェーンを提供するもので、PlasmaはあなたのカードがLoomチェーンにある間も、Loomチェーンがそれを盗むことができないというセキュリティの保証を与えるものだ。

さらなるセキュリティのための有効期限の追加

毎回1バトルにつきイーサリアムのメインネットとの間でカードを転送したり戻したりするには、転送代としてガスを毎回支払う必要がある。

このため多くの場合、一度にカードをLoomチェーンに転送し、思う存分たくさんゲームをプレイし、ゲームセッションを終えたらExitを開始しイーサリアムへそれらを戻す、というふうにするのが理にかなっているだろう。

しかしもしゲーム終了時に、カードをイーサリアムへ送り返し忘れてしまったら?

このケースを処理するためには、ユーザーは設定されている有効期限までにデッキをPlasmaチェーンへ送ることができる。例えば1時間、1日、または1週間といったような感じだ。*

こうして、もしゲームセッション終了時に資産をメインネットに送り返し忘れても、有効期限が経過したらPlasmaチェーンがカードのExitを確実に開始するようになっている。

* 我々はこれがコア・プロトコルの一部としてではなく、ミドルウェアとして実装されることを期待している。

2. 掛けありでのプレイ

リスキーな掛けの後、別のプレイヤーのカードを勝ち取る。

上のカードバトルのゲームの例から、ルールを少し変えてみよう:

実際の掛けを伴ったゲームだとしよう。相手に対しカードを掛ける、もしそのラウンドで負ければカードを失うというものだ。

もしくは、ポーカーやブラックジャックのようなゲームを持ったカジノベースのサイドチェーンへと一般化することさえ可能だ。

通常オンラインカジノを利用する際、最初にまとまったお金を送る必要があり、そうすることでゲームのプレイや賭け事ができるようになる。しかし高い掛け金でプレイする場合、あなたがカジノを信用し数千ドルを彼らの手元に預けることで資金を危険に晒している可能性がある。

Plasmaチェーンは、ゲームの間資産を危険に晒すだけなので、ここでの信用の必要レベルを下げることができる。

例えば、あなたと相手が5 ETHバイインしHeads-Up No-Limit Hold’emのラウンドをプレイしていたとしたら、Plasmaチェーンが所有するイーサリアムのスマートコントラクトに両方の5 ETHを転送することになる。

ゲームが終わった後、Plasmaチェーンはゲーム結果に基づきあなたと相手に資金を送り返す。あなたの資金は1ゲームの間リスクに晒されているだけであり、無期限に全資金をポーカーホストの手元に残しておく必要はない。

同じくカードバトルゲームでは、賭けたいカード1枚またはカード複数をPlasmaのコントラクトにデポジットすることができ、そのカードだけが危険にさらされることとなる。

上記のように、数多くのゲームのバッチ処理、さらに資金/カードの有効期限にあわせた移転が可能となる。そしてPlasmaチェーンが全員の資金を持ち逃げしようとした場合、ユーザーはPlasma Exitを開始して資金を引き出し、さらにその争いはメインネット上のPlasmaコントラクトによって解決される。

3. サイドチェーン上でのゾンビバトル

“CryptoZombies Rancher”では、ゾンビはDAppチェーン上のポケモンスタイルのバトルで戦う。

CryptoZombies.io(イーサリアム上で自分のDApps構築を学ぶインタラクティブなコーディングスクール)で初めてイーサリアムのゲームを作った方は、ZombieBattle機能を追加してあなたのゾンビが他のプレイヤーのゾンビと戦えるようにしたのを覚えているだろう。

しかしこの戦いは、イーサリアムの制限のせいでインタラクティブではなかった — 単純に攻撃する特定のゾンビを選んだだけで、バトルの結果は確率によって決まっていた。

これはなぜならイーサリアム上であったからであり、インタラクティブなバトルを行うのは困難だったのだ。ユーザーは各動き(攻撃、守備など)に対してガスを支払わなければならず、また対戦相手は自分のターンの前に、アクションが検証されてブロックに追加されるのを15秒以上待たなくてはならなかった。

これでは全く楽しくない。ゲーム的にもお財布的にもだ。

しかしLoom DAppチェーンでは、より高パフォーマンスなコンセンサスアルゴリズムを使用でき、毎秒多数のブロックを処理できる。このおかげで、リアルでインタラクティブなポケモンスタイルのバトルが可能になるのだ

カードデッキと同じく、ERC721の非代替トークンとしてゾンビをメインネット上に保存しておくことができる。そうすると、ゾンビ(その全ゲーム結果も含めて)をDAppチェーン上にデポジットし、全バトルロジックをそこで実行することが可能だ。

ゾンビをルートチェーンへ引き出す際、これはDAppチェーン上で行われた全バトルの戦歴を持っていることになる。

4. ゲームキャラクターのアップグレードとマージ(融合 )

CryptoZombies Rancherでは、より良いアップグレードされたものを作ろうとゾンビをマージ中だ。

来たる我らがゲーム“CryptoZombies Rancher”では、より良いアップグレードされたゾンビを生成するために2体のゾンビをマージすることが可能となる。これはCryptoKittiesで新しい猫を手に入れるために猫をブリードするのと同じようなことだ。

ピーク時にはイーサリアム・メインネットをトランザクションで完全に詰まらせてしまったほどにCryptoKittiesは人気であったことを覚えているだろう。

だがユーザーを非難することはできない — 彼らはただ最高のキティの入手を可能にしようと様々なマージの組み合わせを全部試したかっただけなのだ。しかし、これらのトランザクションをサイドチェーンにオフロードすることで、プレイヤーが実験するコストを減らし、また愚かなゲーマーの楽しみによってイーサリアムが詰まってしまうのを防ぐことが可能だ 😉

この場合、ユーザーは自分のゾンビをPlasmaチェーンへ転送し、そこでマージは処理される。ユーザーは新たなゾンビを次のマージを行うためにPlasmaチェーン上にキープが可能で、もしくは都合にあわせてメインネットへと引き戻すことも可能だ。

この例は、技術的な観点から特に興味深いものである。なぜなら2つの異なるトークンを1つの新しいトークンにマージするということだからだ。 これらの詳細について、Plasma実装グループからの要請で現在深い議論がなされているところだ(トークン分割もあわせて)。

5. ゲーム資産の分散型オークションハウス

取引所に資産を預ける必要なしに、プレイヤーは分散型オークションマーケットプレイスでゲーム資産のトレード、売買ができる。

ゲーム資産を他のプレイヤーと売買やトレードすることができなければ、ゲーム資産をトークン化することに何の意味があるのだろう?

ゲームアイテムの分散マーケットプレイスは将来必須の部分となっていく。またこれは我々Loom Networkが本当にエキサイトしているものである。

文字通り存在する各ブロックチェーンベースのゲーム向けに、トークン化されたゲーム内アイテムやキャラクター専用のeBayスタイルのオークションハウスを持つことが可能だ。

ちょっと待て。

だが過去の暗号通貨取引所で見てきたように、ユーザーは資金を取引所にて保管することを基本的に要求される —このことが取引所をハッキングや従業員の窃盗の巨大なターゲットにしており、ユーザーに甚大なリスクがあることを感じさせている。

Plasma Cashはサイドチェーン上の分散型取引所の運営で使用が可能であり、かなりリスクを低減することができる。

上の例のように、資産は個人のオークションが行われている間のみリスクに晒されることになる。もしPlasmaチェーンが何か不誠実なことを行ったり、皆のお金やアイテムを持ち逃げしようとした場合、ユーザーはPlasma Exitで資産を引き出すことができる。

こうして、完全に分散したオークションハウスのマーケットプレイスを持つことが可能なのだ。そこではユーザーが資産を中央パーティーに預ける必要はなく、キャラクターやアイテム、カードのトレードや売買をすることができる。

Loom Networkは、最前線でプラズマを採用したDAppチェーンを開発中だ。

これまでは、全ゲームコードをメインのイーサリアムチェーン上で実行し、ゲームプレイヤーが暗号システムにおいて必要な資産のセキュリティレベルを提供することが必要だった。

しかしながらこの記事で見てきたように、信頼できるPlasmaチェーンは完全にその状況を変えるものだ — イーサリアムだけでは以前は不可能だった、完全に新しいタイプのゲーム体験へと扉を開くのだ。

上記はLoom Networkが独自のゲームで取り組んできたわずかな例である。DAppチェーンの資産はメインのイーサリアムチェーンに裏打ちされており、そのユースケースの数を制限するのは、開発者の想像力だけなのだ。

そして我々Loom Networkではその想像力を解き放つよう、信頼できるよくテストされたシステムを作るのに忙しくしている。

なので乞うご期待! 😉

P.S. あなたが開発者でもしまだお済みでなければ—Loom SDKベータ版にサインアップしましょう!

Loom Network は、イーサリアムのハイスケーラブルなDPoSサイドチェーン構築のためのプラットフォームで、大規模ゲームやソーシャルアプリにフォーカスしています。

さらなる情報は こちらから.

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Thanks to James Martin Duffy.

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Loom Networkは、ゲームやソーシャルアプリを中心としたEthereum DAppsのためのスケーリングソリューションを提供します。http://loomx.io/