『怪我をして変わったもの』

入院後、帰宅するとなにかが違う……。でもなにが……？

交通事故で医者に1週間の入院と診断されたが、辰雄は無理をして2日で退院した。

『奇抜な作品と平凡な作品』

少し奇抜な作品を書きたいと願う作家と、平凡な作品がほしいという編集者の話です。

『長女の苦悩』

長女って悩み多き存在なんじゃないか、と常日頃思っていたりします。

父はスポーツ番組を見ながら酒を飲んでいる。母は甲斐甲斐しく、酒のつまみを作り、食卓に並べている。わたしは母を手伝いつつ、時々父に声をかけるが、父は「ああ」とか「うん」としか…

『ウザい女になれない女』

一本のメールやメッセージ。内容は大したことがなくても、書くときに悩むことってありますよね。

――メールの返信が遅いけど、大丈夫？

『苛立ちと一緒に洗い流したもの』

苛立つことがあると、よーく身体を洗う女の人。その人が苛立ちと共に洗い流してしまったものは？

『雪深い村の、夕方の一景』

東北の雪深い村で起こる大きな事件。

東北の雪深い静かな村に、東京から1組の夫婦が流れてきた。言葉少なで、品行方正。村の老人が営んでいた小さな飲み屋で雇われ、もう10年になる。

『おまえのおかげ』

マラソン中に妻の浮気を疑う男。そのおかげで……。

号砲が鳴って一斉に走り始めた。フルマラソンだ。

『食道楽の行く末』

食道楽も度が過ぎれば不幸になる、と。

ある老舗の寿司屋にやってきた。

『赤い糸』

「幸せの」と枕詞がつくことが多い「赤い糸」。しかしそれが運命を揺さぶることも。

わたしを男狂いと言う人もいた。だけど理由があった。

『わがまま』

老いた母にわがままを言わせたいのだけど……。

父が亡くなって何年も経ち、残された母もようやく悲しみを乗り越えたように見えた。そんな母も老いには勝てず、最近はずいぶんと弱っていた。