近所のラーメン屋から出てきたときのことだった。
土曜の夜、友人と酒を飲み、カラオケ屋で心ゆくまで歌い、車で来ていた友人を泊めるために街場から家まで帰ってきた。そして日曜日の朝、起きしなに彼はこう云った。
「本田さん(彼は僕のことを必ず”さん”付けで呼ぶ)、ボクねうまいラーメン屋知ってんすよ。車で送るんでよかったら一緒に喰い行きません?」
椅子を買った。つい最近のことだ。
1950年代、アメリカのデザイナー「イームズ夫妻」がデザインしたアンティークチェア。…
僕たちは”長い休み”を捨てた。その代わりに”短い休息”を得た。たったそれだけのことだ。
小さなころ。どこかに無限にも思える時間が確かに流れていた。いくら使っても使い切れないのが人生。
僕の通勤スタイルはちょっと変わっている。家から会社まで徒歩で5分。その距離の間に「乗り換え」がある。自転車から車に乗り換える。
会社では車を使うことが多い。というより十勝に住んでいて、車のない生活は考えられないそうだ。たとえ会社から歩いて5分、飲み屋街からでさえ10分の家に住んでいようとも、だ。
都会に住んでいた経験をお持ちの方にはお分かりのように、大抵の用事は電車とバスが解決してくれる。電車とバスがどこまでも僕らを運んでくれる。馬鹿みたいなことを今から云うけど、ホームが6個以上横並びする駅から無人駅が数回の…