私のコンタクトレンズの度数は右が−1.75、左−2.75。付けなくても、少しぼやけて見えるくらいなので、特に危ないこともない。私はこのすこしぼやけた世界にいるのが居心地良いなと感じる。その理由を自分なりに考えてみた。
私の住む街にはある小さなパン屋さんがある。ノリコさんはそのパン屋の店主だ。
ノリコさんと私の出会いについては、今年1月20日に発行された『ノリコさん』という記事に書いたのだが、今回は前回書ききれなかった「ノリコさんのやる気の源」などについて話…
約470km、これは大阪と湘南の距離である。私は今年の4月から、進学のために地元大阪を離れて神奈川県の湘南で生活している。
「梅見坂 思い出いっぱい 下り道」
小学生の頃に私が詠んだ句を今でもはっきりと覚えている。私にとってその坂は、物心がつくかつかないかの頃から今にいたるまでの祖父母との記憶が詰め込まれた場所であるとともに、歩くたび十数年の…
「効率」「高コスパ」と叫ばれるなか、私は時々あえてゴールまでの道のりが長い方を選択したりする。そうした方が楽しいということを身体的に感覚的に知っているからこそ、私たちを飲み込む大きな流れに逆らいたくなる。例えば好きな人がいて、その人に家まで送ってもらえることになったとする。金銭的に大きな差…
横浜市民の私は、鎌倉とみなとみらいエリアを頻繁に訪れる。食べ歩きや観覧車を楽しむために遊びに行くというよりは、鎌倉であれば海岸まで歩き、みなとみらいなら横浜駅から港まで誰かと話しながらふらっと歩く。どちらも観光地…
ちょうど『エルマ』の発売日から間もない頃だった。…
僕は、かなりの頻度で車を運転する。レンタカー屋さんでアルバイトをしていること、電車での移動があまり好きではなくある程度の距離であれば車で行くことがその理由である。
日が暮れた後のヒースの丘をイメージしてもらいたい。夜の青い光に照らされた美しい花々に囲まれながら、まるで自然が自分自身であるかのように感じる広大な景色を見渡す。そのなかで、なぜか全く知らない他人が自分からだいたい50センチほどのところで体内から生暖かい吐息を排出していたとする…
「また、オババ様の家行くから話聞かせてね。」それが電話を切る前の私の決まり文句。…