モーツァルトを聴くと幼少期を思い出す。僕が小さい頃、何をするときもモーツァルトの楽曲がかかっていた。ただ聞き流していただけで曲名すらわからないが、小学校の掃除の時間にかかる音楽がモーツァルトで、僕だけ完璧に歌えた(?)のがとても誇らしかったのを今でも覚えている。…
2020年11月29日、日本初である芝G1(競馬における最高格付けの競争)9勝を達成した牝馬アーモンドアイがジャパンカップを最後に、現役を引退した。
ある日曜日の夕方、電車に乗っていると一人の男の子と目が合った。斜め前に座り膝の上に大きなリュックを抱えている。きっと同い年ぐらいの学生だろう。彼はすぐに目を逸らしたが、たまにチラチラとこちらへの視線を感じる。私もタイミングを伺って彼をチラリ。どこかで見たことがある顔だ。それも…
野反湖、川崎の工場夜景、夜の工事現場、人通りのない住宅街。
「親友になろうよ」
「めちゃくちゃ感じ悪い奴」と思っていたクラスメイトから、こんな風に言われたことがあるだろうか。おそらく私くらいのような気がする。10年経った今でも、そう思う。
黒い背景に名前だけ表示されたパソコンの画面を見つめながら、音声ミュートを外す。部屋には私の声しか響かないものの、耳元のイヤホンからは会ったことも見たこともない人の声が届く。
大学1年の終わりごろ、大学へ向かう電車に、40代くらいの男性が自転車のようなしっかりとした作りのキックボードを肩がけしていた。私はすぐに子供の頃、JD…
相手との心の距離は、近いものほど素晴らしく、遠いものほど価値がないように思える。電話で長時間話せて、SNSの裏アカウントでフォローされたら、距離が近いように感じられて嬉しい。心の距離を測る様々なものさしのなかでも、「どれほど誕生日に近い日程で祝えるか」が相手との距離…
私は自分のことを、あまり人に執着するタイプではないと思っている。少々強がりな自己認識な気もするが、いつからか「無理をするくらいなら1人でいる」という選択をとるようになった。事実、これまでの学生時代、常に行動をともにするようなグループの存在は窮屈だったし、クラス替え直後の教室に漂う「これから1年間、自分…