曖昧サンセット
夕方が好きだ。晴れの日、おやつ時を過ぎて陽射しが弱まってくると、用もないのに外に出たくなる。仕事用のデスクから離れて背伸びをし、部屋の中をぐるりと見渡して、あ、そろそろ箱ティッシュのストックが切れそうだとか、今日は別マの発売日だなとか、適当な言い訳を見つけて履き慣れたデッキシューズを突っかける。
家を出た時には、太陽が「ワテが王やで」とでも言わんばかりの存在感を放っていても、コンビニだのスーパーだのに入り、ちょちょっと漫ろに物色して店を出ると、外の世界の明度と色合いがビックリするほど変わる。加えて、春秋はさらに気温の振れ幅も大きいから、体もじゅんとする。ついさっきまでオロ…