Loom Network ロードマップ2019

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28 min readMay 12, 2019

本記事は、Loom Network Roadmap 2019(James Martin Duffy)の翻訳です。万一誤訳などありましたらPrivate Note機能でお知らせ下さい。

最後にロードマップをアップデート(Q4 2018 — Q1 2019)してからしばらく経つが、その間にたくさんの出来事があった。

つまり、またアップデートの時期が来たのだ。

最後のアップデート以降の最重要なマイルストーンをおさらいしていこう:

…さらにこれらの合間にも、たくさんの小さな出来事があった(隔週ニュースレターでは、こういったことをいつも詳しく取り上げている)。

この2クオーターは、我々にとってかなり大きな意義のあるものであった。(かなりの成功だろう? )

だが過去のことを長々と話したくはないので — 我々がここからどこに向かっていくのかをお話ししようと思う。

全体像について: ユニーバーサルなセカンドレイヤーとしてのPlasmaChain

まずは一歩離れた大局的視点から見ていこう。

我々が来年にかけて第一にフォーカスしていくのはPlasmaChainである。これはLoomメインネットとしても考えることが可能だ。

我らが目標は、PlasmaChainを存在するブロックチェーンの中で最も幅広く使われている1つにすることだ。

2018年の開発の大部分を費やしたLoom SDKでは、開発者は数の制限なくサイドチェーンを立ち上げ、DAppを必要なだけ拡大することができる — これは我々のブロックチェーンスケーラビリティの長期的ビジョンにおいて極めて重要な部分であり、さらに現在稼働中の複数のゲームやDAppsにより使われているものでもある。

しかしPlasmaChainは、これらのチェーン全てが他の主要ブロックチェーン(Cosmos、EOS、Tronといったような)とのチェーン間コミュニケーションを行うためにEthereumへの架け橋として接続をする中央ハブ、そしてトークン化された資産のための共有リクイディティプールとして接続を行う中央ハブとなっていく。

このように来年にかけての弊社の第一目標は全て、PlasmaChainがハイパフォーマンスなDAppsのための『ユニバーサルなセカンドレイヤー』となるよう成長させることに関連している。

これがPlasmaChain周辺の大まかな概要である。そしてなぜこれが重要なのか、そしてそのサポートのために我々が取っていく具体的なアクションについて以下で1つ1つ取り上げ、詳細に噛み砕いていこう

Loom Networkの目標概要:

  1. ステーキング: PlasmaChain上でステークされているLOOM総供給量の割合を最大化する
  2. エンドユーザーへの普及: PlasmaChainをチェーンのDAU(デイリーアクティブユーザー)数やTVL(ロック済み総価値)によって計測し、既存のブロックチェーンの中で最も広く使われている1つにする
  3. インターオペラビリティ(相互運用性): PlasmaChainを他の主要ブロックチェーンネットワークと統合し、他チェーンからのPlasmaChainへのユーザー流入、およびPlsmaChain開発者のためのネットワークユーティリティを増加させる
  4. チェーン上の手数料: チェーン上の手数料をさらに発生させ、PlasmaChainのバリデーターやステイカーのインセンティブを増やす

基本的に、来年にかけて我々が取り組んでいく全てのことは、この主な目標のうちどれかのカテゴリに当てはまる。

それでは、これらが何を意味するのかを1つずつ詳細に説明していこう。

1. ステーキング: PlasmaChain上でステークされているLOOM総供給量の割合を最大化する

簡単なものから始めていこう。

短期/中期におけるステーキングの数値指標向上は、PlasmaChainの安全維持において極めて大きなメリットとなり、ネットワークにさらなる価値をもたらすため、我が社一番の焦点となっている。

この執筆時点のステーキングダッシュボード上では、LOOMトークンの現在発行量のうちこれまで約20%がバリデーターへステークされたことが示されている。徐々にこの値を50%に近づけていきたい。

デリゲーターはすでに、ステークしたLOOMで年に最高20%(さらにバリデーター料を差し引く)を稼ぐことが可能となっている。

現在我々は多くのことに取り組んでおり、トークンのステーキングをさらに増加させようとしている。主に、ステークしたことのない既存のトークン所有者にとってのデリゲーション体験をさらに簡素なものにすることで、これを達成しようとしている:

a) 主要な暗号通貨ウォレット(モバイルを含む)全てとのステーキング統合

ステーキングダッシュボードへのLedgerサポート追加は既に完了しており、先週はCobo Walletのモバイルステーキングサポートについて発表した。

今後数週間のうちにウォレットプロバイダーと協力し、Trezor、Trust Wallet、imTokenやその他いくつかへのネイティブなステーキングサポートを追加していく。(さらに他のメジャーなウォレットのためのサポート追加も行いたいと思っているので、統合をご希望であればご連絡いただきたい!)

この統合のメリットは、ユーザーがトークンを保管している好きなウォレットから直接ステークを行うことが可能になるということだ。

このことはLOOMトークンホルダーがトークンをステークする障壁を下げ、ずっと簡単にしてくれる。そのためステーク済みのトークン総数にかなりの伸びが見られることになるはずだ。

imTokenウォレット内から直接行うトークンステーキングの初期のプロトタイプ

b) Ethereumウォレットを用いたPlasmaChainトランザクションへの署名 — 最高にスムーズなクロスチェーンのUXが可能に

PlasmaChainは最近、初の分散型ハードフォークを経験し、ユーザーがEthereumアカウントを使ってPlasmaChain上のトランザクションに署名を行う機能が追加された。つまり現在ユーザーはMetaMaskやその他モバイルEthereumウォレットを用いて、PlasmaChainトランザクションに署名することができるのだ。

我々はこのサポートをステーキングダッシュボードに統合することを予定しているが、これによりPlasmaChain上でのトークンのトランスファーやデリゲートに必要なステップ数が減り、UXを劇的に向上させることができる。

以前ユーザーは、秘密鍵用に新しいシードフレーズをPlasmaChain上で保管する必要があったが、この変更により彼らは単に既存のMetaMaskウォレットを使って署名したり、PlasmaChainアカウントにアクセスしたりできるようになる。

ちなみに: この機能は単なるステーキングを超えて、PlasmaChain上にかなりクールな機能を追加することを可能にする。これは全てのEthereumユーザーが、まるでEthereumメインネット上のDAppにアクセスしているのと全く同じように、PlasmaChainのDAppとやりとりすることを可能にする— Layer 1とLayer 2の境界線をさらにわかりにくくするのだ。

c) ダッシュボードUIのその他改善点

我々はその他多くの改善点について現在開発を行っており、このようにステーキングの機能全体及びUXが向上される予定だ:

  • 報酬の自動再委託、つまりステーキングから得た報酬を自動的に再ステークできる
  • ユーザー1人の複数デリゲーション、つまりユーザーは同じバリデーターに複数のデリゲーションタイムラインを選択することができる — 例: トークンの一部を1年間、残りのトークンは2週間だけロックアップする

d) さらなるバリデーターの参加

我々は現在、業界で有名な幾つかのバリデーターの参加プロセスを行なっている。

評判の良いバリデーターたちに我らがチェーンの安全を守ってもらうことは、PlasmaChainにかなりの正当性を与えるだけでない。彼らはそのコミュニティや周辺のものも、PlasmaChainへともたらしてくれるのだ。

そしてより多くの資本を獲得しようと取り組んでいて、さらにPlasmaChainの安全を守るためにステークを行なっている色々な参加者がいることは、LOOMトークンのステーク割合を増やす主な推進力となる。

2. エンドユーザーの参加: 存在する中で最も広く使われているブロックチェーンの1つとなる

ステーキングはチェーンの安全を守るために非常に重要であり、短期では普及をかなり促進してくれる。

しかし長期では、いかなるブロックチェーンの成功も以下のようなメトリクスによって判定される:

  1. チェーンに接続しているユーザー数、
  2. チェーン上に保存されている経済的総価値、及び
  3. チェーン上で生まれるトランザクション手数料の価値。

我々の目標は、これらメトリクスを最大化することだ。なぜならこれらは、長い目で見た時にブロックチェーンプラットフォームの持久力を決定する要素となるからである。(Facebookのようなソーシャルネットワークのロックイン効果、つまり既存のネットワーク効果の強力なメリットにより、ユーザーが新しいプラットフォームに乗り換えようとしないという状況によく似ている。)

以下で1番目と2番目の増加について我々が計画している幾つかの方法を述べていく。3番目については、この記事の後の方で説明していこう。

a) ポピュラーなチェーンとの統合 — 既存のブロックチェーンコミュニティによる受容

ポピュラーなチェーンとの統合は非常に重要な策略であるため、このロードマップの下の方に1セクションを割いて詳細に説明しておいた。

しかしこのような統合の大きなメリットの1つに、何百万ものブロックチェーンユーザーがPlasmaChainを利用可能になるということがあるため、このセクションでユーザーの新規参加についても述べることが重要となる。

我々は最近、EthereumにEOS及びTronとの統合を行なっていることを発表した — そしてそれに先立って、Cosmos Hubとのインターオペラビリティ(相互運用性)についての発表も行った。

このような他のブロックチェーンとの統合は、これらのうち1つのチェーンにアカウントを持っているユーザー、もしくはそのチェーンのトークンを持っているトークン所有者が、自動的にPlasmaChain上にアカウントを持つようになることを意味する。

彼らは自身のネイティブチェーン上にあるウォレットソフトウェア(MetaMask、Scatter、Trust Wallet、TronLinkなど)を用いるだけで、どんなPlasmaChainのDAppにもアクセスすることが可能となる。そのため主要チェーンの既存ユーザーにとって、さらなる参入障壁となるものはないのだ。

これはPlasmaChainにとって大きな価値命題である。なぜならEthereumやEOS、CosmosやTronのユーザーは既にPlasmaChainのユーザーであるからだ。ユーザーのアカウントは既に存在しており、彼らが最初のDAppにアクセスするのを待っている。

我々はクリプトユーザーがPlasmaChainへと参入する障壁を全体的に引き下げた。あとは彼らが使いたくなるようなDApps、そして彼らがPlasmaChain上にトークンを移転して保管するべき理由を提供するのみだ。

では次のセクションに進もう…

b) 開発者の参加

ブロックチェーンは、その上で動いているDAppsと同じだけの有用性しかない — だからユーザーへの普及は、結果的に人々が使いたくなるようなDAppsを作っている開発者に依存している。

我々は既に、有機的な市場牽引力を目にしてきた。これまで20以上のメジャーなDAppsがLoom Network上に作られていることを認知しており、さらに多くのDAppsも毎週登場している。

これらは完全に独立したプロジェクトである。彼らはどういう方法かでLoomを見つけ、彼らのニーズにとって最も有用なプラットフォームであると判断してくれたのだ。つまり彼らが他のプラットフォームではなくLoom上で構築を行っているのは、お金をもらっているからではない 😉

このレベルでの有機的な市場牽引力を、コミュニティ内で持てるのは素晴らしいことだ — しかし我々は、来年にかけてこれをさらに高めていきたいと考えている。

またLoomの開発者ドキュメンテーションを徹底的に改訂することに大きく注力していく。最も一般的なユースケースについて分かりやすい例を含めることで、開発者がLoom上での初めてのDAppsづくりをより簡単に始められるようにするつもりだ。(そしてPlasmaChainが他の競合ブロックチェーンプラットフォームを超えて開発者に対し提供できる利点について、我々はより伝え方に磨きをかけてより分かりやすくしていく — ここでいう利点とはつまり、ネイティブなウォレットソフトウェアを使って、彼らのDAppsを主要チェーンのエンドユーザーに提供することが可能であるということだ。)

目標はSolidityとTruffleでDAppsをデプロイすること(我々のCryptoZombies.ioでも学べる)の基礎を理解しているエンジニアを取り込み、彼らの最初のDAppをPlasmaChainにデプロイすることを可能にし、あらゆるメジャーなブロックチェーンのユーザーが利用できるようにすることだ。

加えて、我々は近い将来デプロイを考えているすべての開発者に向けてPlasmachainメインネットを立ち上げる。現時点まで、メインネットにどの開発者の使用を許可するのか我々は慎重な立場だった。というのも我々はより多くのバリデーターの提供中であり、ネットワーク全体の安定性を確実にしている過程にあるからである。

今やPlasmachain mainnetは様々な種類のバリデーターに安定性を保証しており、開発者を獲得することが我々の年内の主な関心事になる。

c) PlasmaChainへのDeFiの導入

これについてはまだ正式にアナウンスもしていないため、ロードマップで言及しない予定だった。

Loomをしばらくの間フォローしている人は、我々がサプライズ好きであることを知っているだろう😉

しかし、我々は6カ月毎にロードマップをアップデートしているだけなので、少なくともこれについても書いておくべきだと考えた。

DeFi(分散型金融プラットフォーム)は最近大きな関心を集めている分野で、時間とともに成長している

PlasmaChain上で、現在他のブロックチェーンでは利用できないどんなDeFiの機能とサービスが提供できるのか、またどうしたらPlasmaChain上でユーザーがトークン化された価値を保管するようモチベーションを高められるのか、と我々は自問した。

このサプライズを台無しにしたくはないのだが、どうか安心してほしい。我々には本当にワクワクするようないくつかのアイデアがある。最初のニュースは来月に発表され、2019年中旬にはお届けできる予定だ。

このようなサービスのゴールはユーザーにPlasmaChain上にトークンを変換して保存するようにモチベーションを上げることだ。何故ならば、ブロックチェーン上に保存された経済的な価値はネットワーク自体の効果を向上させ、プラットフォームをサードパーティーの開発者(開発者の多くはお金を費やすことが出来る)により望ましい形に出来る。そして、将来出現し得る新しいチェーンに対するPlasmaChainの現在の地位をより確かなものにするからだ。

d)ゲームを通じたバイラルユーザーのトレーニング — 最も広く利用されているブロックチェーンの1つであることへの危険性

これまで我々はこれについて、 例えば我々の広く共有された「ゲームはブロックチェーン一般普及のための触媒となる」という記事でも多く言及してきた。

現在、ブロックチェーンが直面している大きな課題はスケーラビリティではない。むしろDAppが十分に優れており、人々がそれらを利用したいと感じているということだ。そして平均的なユーザーにとって学習の支障がないようにUXバリアを十分に下げることである。

ブロックチェーン界隈にいる人は、この技術が革命的であることを認識しているが、しかし現時点では何に対して革命的なのかについては自信がない。なぜなら我々は何百万人もの人々にとって好ましく、ウィルスのように成長する「決定的なDApps」をまだ体験していないからである。

しかし、その「決定的なDApps」が出現すれば、我々は開発者にPlasmaChainこそが明らかな選択であることを示したい。そしてそうするのにベストな方法は、最も信頼されたユーザーのアカウントをもったチェーンになることだ。

何百人、何千人というユーザーに短期間でPlasmaChainのトレーニングを受けてもらうのに最も適した方法は、ゲームを通じたものであると我々は信じている。

Relentlessのベータユーザーは既に、初学者にとっても非常にわかりやすく、かつ学びやすいトレーニングを体験しただろう。ユーザーはただ、Apple App StoreGoogle Playを通じてアプリをインストールしてプレイを始めるだけだ。ブロックチェーンについて事前に何か知っておく必要も、さらに言えばこのゲームがユーザーがついさっき作成したアカウントのブロックチェーン上で動作していることも知る必要もない。まだ未体験の人は、ぜひ試してみてほしい。

ゲームをプレイすることでユーザーはcryptoassetsを、またゲームに勝つことで報酬を得ることができ、また獲得したアイテムを仮想通貨のマーケットプレイスで売る方法も学ぶことができる。

ユーザーが獲得したアイテムと仮想通貨は当然、PlasmaChain上で保管され、Ethereumや我々が統合するネットワークに引き出したり、またネットワーク内の他のDAppsで支払うためにPlasmaChain上に保管することも可能だ。

従って、PlasmaChainがわかりやすいブロックチェーンの体験を提供できるようになることは、数百人、数千人の仮想通貨を所有したことのない、他のチェーンが敷居の高さからターゲットできない層の新しいユーザーがトレーニングするための最も容易な方法である。PlasmaChainは多くのユーザーにとってブロックチェーン体験の初めての入り口となり得るのだ。

Relentlessは我々が開発した、PlasmaChainの最初のトレーニングとして使うことを予定しているゲームであり、また他のゲーム開発者に対してLoom Networkでどういうものを開発することができるのかを示す見本としても機能する。

ゲーム開発者がブロックチェーン上で開発をしたいと思い立った時、どのプラットフォームを彼らは選択するだろうか?それは、今いるどんなゲーマーにもすぐにプレイしてもらえるゲームを開発できるような最も優れたUXをもつプラットフォーム — そしてそれが可能なことが模範によって示されているものだ。

そして中長期的には、これらのゲームが仮想通貨を利用できるクリティカルマスのユーザーに達するまでPlasmaChainが構築されるのに役立ち、ひいてはそれがどんなDAppsの開発者にとっても構築するのに最も魅力的なプラットフォームとなるだろう。

言うまでもなく、これらの開発者は我々のサービスを通じて既存の無数のブロックチェーンユーザーにもアクセスできるようになるだろう。

3. 相互運用性:既存のすべての主要なブロックチェーンネットワークとの統合

以前にも述べた通り、既存のブロックチェーンネットワークと統合していくことは今後数カ月の主な焦点となる。

短期的には、この動きはPlasmaChainの開発者に全ての主要なブロックチェーンのユーザーベースへのアクセスを可能にすることで、我々には大きな強みとなる。

なぜ全てのプラットフォーム上でも同時に開発できるのにも関わらず、DAppをひとつのプラットフォームのみで開発することを選ぶのか?

もしスタンドアローンのブロックチェーンプラットフォームがメトカーフの法則に従うのならば、複数のブロックチェーンプラットフォーム(それぞれのアクティブなユーザーベースと共に)に接続され、統合されるプラットフォームは統合されたすべてのプラットフォームのネットワーク効果の利点を得る。

相互運用性はネットワークの一部であるそれぞれのチェーンに付加価値を与える — そしてそのネットワークに接続するハブ自身は膨大な価値を得ることになる。

今後1年間、この分野における我々の主眼は:

a)Tron、EOSそしてCosmosとの最初の統合の構築

これらは我々が以前に発表した、PlasmaChainへ統合していく3つのプラットフォームである。

我々は優先事項として、a)アクティブユーザー数、b)統合のしやすさ(LoomとCosmosは双方とも、BFTコンセンサスにTendermintを採用しており、またLoomとTronはSolidityのコントラクトに対応しており、統合が比較的容易であった)を選んだ。

これらの統合作業は既に進行中であり、ひとつずつ今後数カ月のうちにリリースが予定されている。

b)すべてのプラットフォームにおけるシームレスなウォレットの統合 — EOS/Tron/Ethereumアカウントでのログイン

我々が既に導入した、 あなたの既存のEthereumアカウントでPlasmaChainアカウントにログインできる機能と、トランザクションに署名できる機能のように、我々はEOSとTronにも類似の機能を増築する予定だ。

既に述べたように、これはあらゆるEthereum、EOS、そしてTronユーザーが、既存のブラウザのプラグインあるいはMetaMask、Scatter、 TronLinkのようなモバイルウォレットを使ってどんなPlasmaChain DAppと連携できるようになるということを意味している。

Web開発者がOAuthを使ってユーザーにGoogleやFacebookのログイン認証情報を使用してログインさせることと似ていると感じるかもしれない。

PlasmaChainのDAppsは新規のアカウントにサインアップする必要なく、ユーザーに既存のEthereum、 EOSあるいはTronアカウントを使ってログインと認証をさせることを可能にする。

c)将来クリティカルマスのユーザー獲得へ到達する他のネットワークとの統合

時が経つにつれ、異なるブロックチェーンのプラットフォーム人気が上昇、下降するかもしれない。そして、将来市場シェアの大きな割合を占める新しいプラットフォームが誕生する可能性もある。

もしクリティカルマスのユーザーを獲得する新しいネットワークが誕生すれば、我々はPlasmaChainにそれらを統合するつもりだ。

(現在、そして未来の)最も人気のあるチェーンを統合していく。このことによって、いかなるブロックチェーンが最も多くのエンドユーザーを獲得しようとも、PlasmaChain上に開発者が構築するDAppは最も人気のあるチェーンとの関係性を持ち続けることが保証される。

PlasmaChainを開発者のDAppsが廃れず、時代遅れにならないようにする手段として捉えてほしい。

4.オンチェーンの手数料の発生

最後にオンチェーンの手数料について話そう。

短期的には、我々のトークン供給量の大部分を保証された支払いとして、PlasmaChainのバリデーターとLOOMのトークンをステークするユーザーに、トークンをステークするモチベーションを高め、ネットワークをセキュアにするために割り当てた。

これは、ネットワークの初期のマイナーやバリデーターを惹きつけるために不可欠なビットコインやイーサリアムのブロックリワードを思い起こさせるかもしれない。

しかし時を経てブロックリワードが下火になるにつれて、全てのネットワークが長期的に生き残るために手数料を発生させる必要がある。イーサリアムは送金とDAppの利用に関し、手数料に加えて低水準のインフレーションを発生させる予定である。ビットコインはインフレーションを使わない代わりにマイナーがネットワークをセキュアにするのを十分に支援するため、手数料を高額にする必要がある。

我々はPlasmaChainのバリデーターに関して、DAppのホスティング料とDAppsが共有するチェーンに組み込まれた核となるいくつかのサービスの手数料を発生させる予定だ。

a) DAppのホスティング料

最初に、我々はネットワークをブートストラップしているため、開発者の手数料は請求していない。

その後、ネットワークが埋まり始まるに従い、DApp開発者にDAppのホスティング料金が請求される。

PlasmaChainとEthereumの大きな違いは、 各々のユーザーがDAppを利用する度に手数料が発生するのとは対照的に、PlasmaChainについては従来のWebホスティングのように開発者が月額のホスティング手数料を支払う必要があるという点だ。

b)手数料が必要なコアチェーンサービス

我々にはバリデーターおよびステーカーに対して手数料が請求される、PlasmaChain上でのいくつかのコアチェーンサービスがある。

そのうちの一つがLoomマーケットプレイスで、これはNFT資産の取引所である。現時点で、Relentlessのカードの売買に使用されているが、この後、あらゆるゲーム内のアイテムのマーケットプレイスとしてオープンする。

Loom Network上の個別のDAppChainで構築されたゲームに関しても、ユーザーはゲーム内の資産をPlasmaChain上に保管したいと思うだろう。そうすることによって、使用する資金を持っているPlasmaChainで認証された多くのEthereum/EOS/Tronユーザーと同様Loomマーケットプレイスの共有された流動性を利用することができるようになる(すべてのユーザーにゲームのアイテムを見せることの無料のマーケティングについては言うまでもない)。

マーケットプレイス上のそれぞれの取引毎に、少額の手数料がPlasmaChainのバリデーターに支払われる。PlasmaChain上で人気のゲームの数を増加すれば、バリデーターとステーカーが得られる手数料が増加する。

マーケットプレイスに加え、我々にはまだ発表していない、バリデーターのために手数料を発生させるPlasmaChain向けのDeFiサービスがある。

c)子チェーンの分割バリデーション

我々は既にそれに続くいくつかの段階に目を向けており、PlasmaChainの十分なセキュリティと分散化を必要としないDAppsも出てくることも予測している。また、いくつかのDAppsにとっては21のバリデーターを支援するために手数料を支払うことも経済的な意味をもたない。

また同時に、チェーンを稼働させるために多様なバリデーターを雇うような面倒なこともしたがらないだろう。

したがって我々は、PlasmaChainのバリデーターが、予備のハードウェア容量を使用して、PlasmaChainに接続する子DAppChainsの検証をオプトインで選択できるようなシステムを想定している。

バリデーターについては、オペレーションの大部分はハードウェアを24時間オフラインにならないよう監視し続ける人手である。そのため、PlasmaChainをバリデートしている場合には、さらなるネットワークをバリデートするためにより多くのハードウェアをスピンアップすることは取るに足らないことである。

この設定は他のチェーンをバリデートすることでバリデーターに追加の手数料を得る機会を与え、またその報酬の一部をLOOMのステーカーに渡す。これが効果的に独立したDAppチェーンネットワーク全体の価値を捉える。これにより、独立したDAppChainsのネットワーク全体の価値をLOOMステーキングプールに効果的に取り込むことができる。

まだ計画の初期段階ではあるものの、これが我々が考える、メインネットワークが容量に達し始めた際の長期的なPlasmaChainスケーリングの方向性である。つまり、ひとつの中央にあるチェーンがすべての主要なブロックチェーンのブリッジとして機能し、鍵となる一連のシェアされたサービス(マーケットプレイス、DeFi、トークンの流動性など)を提供し、部分的にバリデートされた子チェーンのネットワークが、確認時間とごく少数の専用のバリデーターによるスループットを必要とするアプリケーションを起動するというものである。

終わりに…

2019年内のLoom Networkの主要なフォーカスについて、読者がこの記事で詳細に理解できたことを願っている。

ブロックチェーンの業界が未だ非常に速く変動していることに注目するこは重要である。我々にはつい2、3ヶ月前には気づかなかった今日の業界に対する見通しがあり、理解を深めるにつれて業界がどの方向に進み、それを予測しどのような仕様を構築する必要があるのかということについて、優先度に細かな修正をする必要があった。

ロンドンからニューヨークへ飛ぶパイロットのように、出発地からの大まかな方向を知ってはいるものの — 強い気流が航路をずらせば、パイロットは飛行機が目的地まで何百マイルも航路を外れないよう、微調整をする必要がある。

次の半年〜1年間、現時点では我々の予測できないより多くの変動が市場に起こるだろう — そして我々はそれに応じて修正をする必要がある。

しかしチームが業界を観察し、迅速に変化に合わせて対応できる能力こそ、我々の最も大きな資産だと考えている。

チャールズダーウィンの言葉を言い換えると:

最も強いものが、あるいは最も知的なものが、生き残るわけではない — 最も変化に対応できるものが生き残る.

そのため、この記事はできる限り関連性を長く保てるよう、意図的にハイレベルに書かれている。

我々が構築し、実行する機能の正確な仕様の優先度は変動するかもしれないが、大きな方向性としては変わらない。

そしてその方向性の核は、常に全力をあげて開発者とユーザーを獲得することにある。

実りある2019年を!

Loom Networkは、イーサリアムのハイスケーラブルなDPoSサイドチェーン構築のためのプラットフォームで、大規模ゲームやソーシャルアプリにフォーカスしています。

さらなる情報は こちらから.

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Thanks to Michael Cullinan and Robert H. Some rights reserved

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