イーサリアムは新しいインターネットの基盤となる

Loom Networkはイーサリアム上にレイヤー2を構築している — 他のブロックチェーンではなくイーサリアムであるその理由とは?

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23 min readJun 6, 2018

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本記事は、Ethereum Will Be the Backbone of the New Internet(James Martin Duffy) の翻訳です。万一誤訳などありましたらPrivate Note機能でお知らせ下さい。

毎月、違った企業がホワイトペーパーを公開して、イーサリアムが直面しているスケーラビリティ問題を解決すると主張している。

これらの新しいブロックチェーンは、イーサリアムよりも素晴らしく高速、そして高性能だと主張している — 1秒あたり何千どころか何百万ものトランザクション(TPS)を処理でき、取引手数料はなく承認時間はほぼ即時だというのだ。

だが大規模な分散型モバイルゲームソーシャルネットワークをメインストリームにするためのプラットフォーム構築を我々Loom Networkが開始したとき、イーサリアムは、その上で構築行うのにかなり真っ当な選択肢であった

我々の考えでは、イーサリアムは既にWeb3.0の基盤になるためのレースに勝利し、今後主要なDAppプラットフォーム全てがイーサリアム上での構築を選択し基礎的なベースレイヤーとなっていく。この記事ではそう考える理由を説明していこう。

では一番明らかな理由からスタートしよう。

1. イーサリアム上で構築をしている開発者は、他のどのプラットフォームよりむ桁外れに多い。さらにこの差は日に日に広がっている。

我々のイーサリアムコードスクール・CryptoZombies.ioは、昨年11月のローンチ以降、現在ではover 207,623人以上のユーザーを抱えている。そしてこの数は、1ヶ月あたり30,000人ユーザー以上で常に増え続けており、勢いが落ちる兆しもない。

Truffle (イーサリアム用開発フレームワーク)はこの1月から、月45,000ユーザー以上で増え続け、ほぼ55万ダウンロード に達している。

端的にいうと、イーサリアム上で構築を行う開発者数は単なる増加ではなく加速度的である。

毎月のイーサリアムのTruffle Suiteを使用している開発者数。単なる増加ではなく加速度的である

すなわち、もし別のブロックチェーンプラットフォームが開発者からの受け入れという面でイーサリアムを打倒しようとしたとしても、今のイーサリアムに追いつくには不十分だ —前進を続けるイーサリアムの成長速度を超越しなければならないのだ。

なぜ開発者からの受け入れが重要なのか?

結局のところあなたのブロックチェーンを誰も実用していなければ、秒間何トランザクションを捌こうが関係のない話だ。

そしてそれを価値あるアプリケーションに使ってもらうには、開発者がアプリを構築したくなるよう十分魅了しなくてはならない。

もしあなたのブロックチェーン上でアプリを構築する開発者がいなければ、実質ゴーストタウンを作っているようなものだ。

なぜスティーブ・バルマーがカンファレンスのステージ上でおかしくなってしまったのか、そしてミーム(ネット上のネタ)の歴史におけるこの古典的な瞬間を作り出したのか、私にはよくわからない。だがここで彼を取り上げたのは、この私の考えを強調するためだ: 開発者からの受け入れbが全てだ。

実世界のアプリケーションを構築している開発者が一番多いブロックチェーンプラットフォームが、広くメインストリームから受け入れられるプラットフォームとなっていく。そしてこの分野でイーサリアムはかなり幸先の良いスタートを切っただけでなく、その差は日を追うごとに広がっている。

ではなぜイーサリアムは最も開発者にとって魅力的なのか?

2. イーサリアムは他のどのプラットフォームよりも、DApp開発にとってのより良いツールそして基盤である。

TruffleInfuraWeb3.jsOpenZeppelinGethGanacheMetaMaskCryptoZombiesMyCryptoEtherscanERC20そしてERC721

これらのツール(その他も多数)には、あらゆる開発者チームが休むことなく何百何千時間を注ぎ込んできた。そしてこれらはイーサリアム上にDAppを構築したいイーサリアム開発者なら誰でも無料で使用可能だ。

さらにこの開発者エコシステムは時間とともに成長していくのみだ。我々チームと少なくとも10人以上の他の開発者がイーサリアムDApp開発周りのツールとインフラをさらに構築中である。これは将来、イーサリアム開発者たちの日々を楽にしていくだろう。

これは開発者のインフラに適用されたメトカーフの法則である。役立つものを作る開発者が多ければ多いほど、新しい開発者にとって構築が簡単に(そしてより楽しく)なり、その効果は複合的となる。

もしあなたが開発者でイーサリアムに取って代わるブロックチェーンプラットフォームを構築したければ、イーサリアムの開発者にとっての使いやすさに太刀打ちするために、そのプラットフォーム上にこれら全ツールに相当するものを構築する必要がある

もしくは…単にイーサリアム上で構築を行なって、これら全てをそのまま利用するだけというのも可能だ 🤔

だが、もう一段階深く掘り下げよう。

なぜ開発者たちはこれらツールの構築に時間を割くのか考えてみよう。

そしてこのウサギの穴を深く掘り下げていって、イーサリアムが本当に輝くところを見てみよう。

まだ読んでくれている?議論の中心部分さえ説明していないから、これから始めていこう!

3. イーサリアムは分散性を犠牲にしない

ブロックチェーンに関して、スケーラビリティのトリレンマという基本的な法則が存在している。これは物理法則のようなもので、ブロックチェーンは分散性、スケーラビリティ、セキュリティという3つの特性のうち2つしか持てないというものだ。

これが意味するのは、同じレベルのセキュリティとする場合、もしブロックチェーンのスケーラビリティを増加させたければ、分散性を犠牲にしなくてはならない

これが真実である理由は?

ブロックチェーンの性質上、すべての単一のバリデーターはネットワーク上で発生するすべての計算を行い、その正確性を保証する必要がある。

そのため数千人のユーザーがバリデーターを運営してネットワークを十分に分散させたければ、ユーザーPCとネットワーク速度が処理可能な平均値で、秒間の最大トランザクション数を制限する必要がある。

一方これまでで最も高速でスケーラブルなブロックチェーンを持つには、以下を行わなければならない:

  • 全バリデータがスーパーコンピューターであることが必要
  • ネットワーク上のバリデーター数をできるだけ少なくし、ノードあたりのコネクション数を低減
  • 全バリデーターを地理的に同じエリア(国、データセンター)に置き、ノード間のレイテンシを低減

これはブロックチェーンにとって最悪なアイディアだとお分かりだろうか?

そして秒間トランザクション数がかなり多数であると豪語しているプロジェクトを目にしてきたが、その全てはひそかにこの分散性のトレードオフを行っている。そのほとんどはそのユーザーや投資家にとって見えていないだけなのだ。

なぜ分散性が重要なのか

クリス・ディクソンとスペンサー・ボガートによる素晴らしい2つのブログ記事がある。両方とも『なぜ分散化が重要なのか(Why Decentralization Matters)』という同じタイトルであり、読むことを強くおすすめする。

この記事では、クリス・ディクソンはシンプルな議論を展開している: 開発者が構築する動機をより強く持てるプラットフォームとは、今後そのルールを変更して彼らのユーザーと利益を奪い取ることが”ない”とわかっているものである

FacebookやApp Store上のアプリケーションの構築を行う場合、これらのプラットフォームが将来あなたをアクセス禁止にしたり、特定のユーザーがアプリ使用やアップデート閲覧を行えないようブロックしたり、もしくは同じユーザーがアクセスするのに高額な料金を課したりしないことを信用する必要がある。

一方で、イーサリアムは我々が非許可型と呼ぶものだ。

イーサリアムは誰でもどんな目的にでも使用でき、誰の許可も必要としない。

あなたがイーサリアムのブロックチェーンにコードをアップロードするのを、そしてユーザーがそのコードを実行するのを誰も止めることはできない。

かなりパワフルなものだから、しっかり覚えておこう。

歴史上で初めて、誰も止めることができず検閲することもできないプラットフォームを我々は持っている — 政府でも、莫大な資金をもつ巨大企業でもロスチャイルド家でもバグダノフ家でも、そしてレプティリアンでもあなたが支持するどんな陰謀論でもそれは不可能だ。

イーサリアム上にDAppを構築する場合、そのユーザーによる匿名アクセスは誰にも止められない。

そのネットワーク上に保存されるトークンやデジタルアイテムを購入した場合、それらは永久にそこにあって誰もあなたから奪い去ることはないと保証されている。

そしてこれらの非許可型と検閲耐性という分散型ブロックチェーンの特徴が、インターネットの歴史上初めて、我々が本当のデジタルアイテムの所有権をもつことを可能にしたのだ。

そう、私はレディ・プレイヤー1』について話している。奪われることのない本物の所有権を使って、ブロックチェーンはクレイジーな新しいことをオンラインゲームやバーチャルリアリティで可能にする。例えばどんな企業からも所有されておらず、世界を跨いで使用できるバーチャルアバターのようなものがある。

より中央集権的なプラットフォームにはこの保証がない

イーサリアムキラー」として絶賛されてきたどのプラットフォームも、単純に高いスケーラビリティを選択して分散性をトレードオフし、それがまるで特色であるかのように宣伝することにしただけなのだ。

そしてこのトレードオフを市場が望んでいるように見えることが、これを行おうと思わせるのだ。

よくわかっていないユーザーは、高い手数料と遅いトランザクション時間に不満を述べる。だからマーケットが必要だと考えているものを提供しようとしている開発者を我々は非難することはできない。

スペンサー・ボガートの「なぜ分散性が重要なのか(Why Decentralization Matters)」ではこう語られている:

新しいユーザーや開発者がこれらの新たなネットワークに引きつけられるのは驚くことではない: 機能としての「分散性」の利点は表面的には曖昧なである一方で、スループットと機能の改良はユーザーと開発者がすぐに認めることができるものなのだ。

短期では、ユーザーはよりスケーラブルなブロックチェーンが提供するパフォーマンスに引きつけられ、目覚ましのモーニングコールがすべてをクラッシュするまで分散の重要性に気づくことはない。

彼はこう続けている:

しかし現実には、分散性がなければこれらのクリプトネットワークは「非許可型」であり「検閲耐性」があるという最も重要な性質 — つまり誰もがネットワークを使用でき、そして誰もがその上に構築できるという性質を失うこととなる

結局のところ、分散ブロックチェーン全体で重要なのは、固い約束の提供 — つまりオープンで非差別的な参加が可能な改ざんできない元帳の提供だ。ある意味、我々は分散型の非効率性に耐えているのは、こういった性質を備えたネットワークを実現する唯一の方法であるからだ

1,000TPS、あるいはそれ以上を達成している他のブロックチェーンは、小規模で数が固定されたノードによって全トランザクションを検証することでこれを実現している。EOSの場合は21、Liskの場合は101のノードだ。

だが21のノードで運営されるネットワークでは、これら21の パブリックに特定可能なノードが将来プロトコルを変更することはなく、特定の人が特定の目的で使用することを規制することもないと信頼することが必要になる。

悪意あるエンティティが、公に知られたブロック生成者21人中15人以上に影響を与えたり、あるいはは中央集中型プラットフォームで起こっているようにこれら15のブロック生成者がカルテルを形成し彼らに利益が出るようルールを変更したり、または政府や企業が特定の取引やユーザーを検閲するようにこれらのエンティティに圧力をかけたり。こういったことよりも、何千ものイーサリアムの匿名ノードに影響を与えて特定のトランザクションを検閲することの方がはるかに難しいのだ。

スペンサー曰く:

これらの半分散型プラットフォームは、中央集権的なプラットフォームが特定のユーザーや活動を検閲するよう動機づけするのと同じ、社会的および経済的な圧力の影響下にある。そのため半分散型プラットフォームは、修正しようと想定していたものと同じ結果となってしまう。

開発者が、ベースレイヤーが非許可型で検閲耐性を持ち続けると100%信用できないのであれば、従来のwebサーバーを使用せずに、そのプラットフォーム上で構築を開始することのインセンティブはほぼない。

スループットを増加させユーザーを魅了するという近視眼的な目標のため、ベースレイヤーの分散性を犠牲にしたことで、これらのプラットフォームは皮肉にも当初のブロックチェーン使用のモチベーションをを全面的に損なってしまった。

またそれに加え、レイヤー1のスループットを向上させることはスケーラブルなアプローチですらない。

これははじめは得るものがあるだろうが、基本的にはブロックチェーンの性質によるボトルネックがあり、本物のスケーラビリティを達成する方法ではない。

つまりどういうことかというと…

4. 単一ブロックチェーンで世界中の分散型アプリケーション全てを実行することは不可能となる:スケーリングはレイヤー2で行う必要がある

1つの巨大なスーパーコンピューターで、インターネット上で最も人気のゲームとソーシャルアプリ100種類を実行しようとするのは馬鹿げたことだ。

同じように、近い将来1つのブロックチェーン上で世界中の分散型アプリケーションすべてが動作すると想定するのは馬鹿げている。

Facebookだけで、何十万というサーバーが機能しなくてはならない。分散型Facebookが、1つのブロックチェーンを存在する他の全てのDAppsと共有するようになると考える人もいるが… 🤔

いくつか簡単に数字の例を見ていこう。

Facebookは秒間3万以上のライク/コメント、ナスダックは秒間2万取引以上、そしてPlayerUnknown’s BattlegroundsのようなMMOゲームは、ユーザーのゲーム状態更新を1万以上同時に処理している。

このサイズのアプリとゲームたったの数十個で、総計100万TPSを超えてしまう。

さらにユーザー数が倍になった時どうするのか?

1つ1つのDApp全てを同じチェーン上で動かそうとするのは、明らかに実践的なアプローチではない。

ブロックチェーンが秒間1,000トランザクションを処理しようが、100万トランザクションを処理しようが関係ない。1つの同一チェーン上で世界中全ての分散型アプリケーションを十分高速に処理できるブロックチェーンは存在しない。

スケーリングはレイヤー2で行うべきだ

その解決策は明らかだ。これらのアプリケーションは複数ブロックチェーンに分割する必要がある。

我々Loomでは早期に、アプリケーション特化型サイドチェーンの概念を紹介した際このことを理解した。そして最終的にはいくつかの分散型アプリケーションが、Facebookの10分の1の規模に達するほどの人気を誇るほどにに成長し、それらを運営するには専用サイドチェーン上で行うことが唯一の方法になると予見していた。

もちろん、秒間何千ものトランザクションを要求するこれらのDAppsを独自のスタンドアロン型ブロックチェーン上に置いた場合、『分散性はなぜ重要か(Why Decentralization Matters)』で説明したのと同じ脆弱性を持つことになる。

だが、それらを(イーサリアムのように)十分に分散されたブロックチェーンのサイドチェーン上に置いた場合、両方の世界のベストな部分が手に入るのだ。

サイドチェーンは、セキュリティを犠牲にすることなく高いスケーラビリティを提供する

サイドチェーンは非常に高いTPSや低いレイテンシが必要なDAppsに最適な(DPoSのような)異なるコンセンサスアルゴリズムを使用しながら、一方ではハイレベルなセキュリティが必要なトークンやデータはメインチェーン上に保存が可能だ。

こうすることで、サイドチェーンはメインチェーンよりも分散化されていないにも関わらず、ユーザーから必要とされるトラストの量が最小化されている。なぜなら現実的に価値を持つものを安全に保持するため、それをメインチェーンに移動させるという選択肢があるからだ(Plasma Cashでレイヤー2の資産を守ればなおさらだ)。

DAppを分散されたメインネットのサイドチェーン上に置くことで、分散されたベースレイヤーにより提供されるトラストと安全の保証は変わらず維持しつつも、より高速なブロックチェーンが提供する高いスケーラビリティのメリット全てが手に入る。

スペンサーは記事中で、我々と同じ結論に達している:

今後目指すところ: 高レイヤーではより集中化が進んだ、高度に分散されたベースレイヤー

実際、これはヴィタリック・ブテリン自身が思い描いていたのと同じモデルのようだ:

ブロックチェーン上でStarCraftを動かすことはできる。こういった類のことは可能だ。高いレベルのセキュリティとスケーラビリティは、その他あらゆるものをその上に構築することを可能にする。イーサリアムは余計な機能を持たない安全なベースレイヤーなんだ。

~ヴィタリック・ブテリン

イーサリアムは安全なベースレイヤーで、その上にレイヤー2ソリューションを構築するためのものだ

我々はここまでで以下を理解した:

  1. スケーリングはレイヤー2で行わなければならない
  2. 分散性は、レイヤー1の最も重要な特性である。

ではリアルな質問だ — もしイーサリアムでなければ、どんなベースレイヤー上にレイヤー2を構築していこう?

我々はすでに、イーサリアムと同じくらい分散されたチェーンはほぼないことを知っている。

最近のConsenSysのレポートによると、「6つの大陸にわたる17,000ノードがイーサリアムのブロックチェーンを稼働しており、このことでイーサリアムは存在する中で最も分散されたブロックチェーンとなっている」

そして高いスループット、ガス不要のトランザクション、低レイテンシのトランザクションといった別のブロックチェーンが提供するであろう追加機能は、単純にイーサリアム上のレイヤー2のサービスとして実装可能だ。

実際、 レイヤー2、ガス不要、低レイテンシなDPoSのイーサリアム・サイドチェーンといった機能 はまさに、Loom NetworkのZombieチェーンで構築しているものだ。

そしてこれは開発中の多くのレイヤー2ソリューションの1つにすぎない。

開発者がなぜ単純にイーサリアム上で構築を行わずに、それにとって代わるものを作りたいと考えるのかとても理解できない🤔

そうする明らかな動機として、ICOで何億ドルも調達が可能ということを考慮しないなら… 😉

“それはイーサリアムのようだが… もっといいものだ!”

それはまるで車輪を再発明するようなものだ。

もちろん、十分な分散性を提供しつつ追加機能を投入した、少しベターなベースレイヤーの構築は可能かもしれない。

だがそうすると、テストされていないプラットフォームに乗り換えるよう開発者全員をどうにか説得しなければならない。そしてその間にも、あなたが持っていた良いアイディアをイーサリアム開発者たちが取り入れて、イーサリアム上のレイヤー2チェーンにてそれを実装できてしまう。

これもかなり危険なことだ。

もしレイヤー2プラットフォームがハックされたり悪用されたりしても、価値を持つトークンやデータの大部分は依然としてレイヤー1(イーサリアム)上に安全に保存されているため、ユーザーの損失は最小限となる。

だがもし新たなレイヤー1のブロックチェーンを構築して、ユーザーが実際のお金を支払うトークンを保存する場合、あなたのコードに最初から不具合がない確率は非常に低い。そして悪用された場合、そのユーザーは何十億ドルを危険に晒す可能性があるのだ。

プログラミング業界では、『Don’t roll your own crypto(独自の暗号を作るな)』というルールがある。

私は前もって予測しておくが、大規模なブロックチェーンが初めて悪用され、そこにあった何百万ドル、何十億ドルものトークン価値が跡形もなく消えてしまうのを目の当たりにすると、ブロックチェーンエンジニアの間で同じ言葉が聞かれ始めるだろう:

独自のレイヤー1を作るな。

要するに…

5. 新しいプラットフォームは実証されていないが、イーサリアムはすでに時の試練に耐えてきた

これを書いている時点では、610億ドル分のETHが供給されている。

誰かがこのネットワークをハック/悪用しようと試みるインセンティブは大いにある。

この3年に渡り何千ものハック志願者がイーサリアムの弱点を見つけようとしてきたが、失敗に終わっている。

だが今日に至るまで、イーサリアムメインネットのローンチから3年が経過したが、このプラットフォームのセキュリティホールを誰も見つけ出せていない。

注: 開発者がイーサリアムにデプロイした個別のスマートコントラクトにてセキュリティホールは発見されているが、私が話しているのはコアプラットフォームそれ自体についてだ。

(多くの人々が試みているにも関わらず)セキュリティホールが見つからないまま時間が経てば経つほど、プラットフォームが安全で今後も悪用されることはない可能性が高くなる。

これはナシム・タレブがリンディ効果と呼ぶものに似ている:

リンディ効果とは、テクノロジーやアイデアといった劣化することのないものの将来寿命が現在の年齢に比例するという概念である。つまり生存期間が増加すると、予期される残りの寿命は長くなるということだ。

基本的に、新しいブロックチェーンプラットフォームはその登場時、まだ時の試練に耐えていないから、開発者は使用を渋るだろう。

もし悪用が可能だったら?もし本当に分散されていなければどうする?これから2年かかるかもしれないのに、その上にDAppを構築するのになぜ自分の時間全てを投資しなければならない?

チェーンが大きな悪用なしに長く生き残レバそれだけ、開発者にとってより信頼できて合理的なものに思われる。

再度になるが、イーサリアムはすでに有利なスタートを切っている。

今日ローンチされる新しいブロックチェーンプラットフォームが、開発者にとって信頼できるものと思われるほどに十分な期間生き残るには、数年が必要となる。

だがそれと同時に、開発者からの受け入れ、及びインフラのサポートに関するレースにて、イーサリアムはさらに前進し続ける(実際に使われているDAppsとそのエンドユーザーについては言うまでもない)。

イーサリアムは、他の全てのスマートコントラクトプラットフォームに対してこんなにも有利なスタートを切っている。だから新しいブロックチェーンに比べて、イーサリアムはセキュリティの観点から常により良い選択肢として考えられていくだろう。

特に、前述したように、新しいスマートコントラクト・プラットフォームが追加する開発者にとって魅力的な新機能が単純にレイヤー2上に構築できる場合、さらにイーサリアムのセキュリティの保証が保持されたまま場合はなおさらだ。

結論: イーサリアムは完璧ではない。だが現時点で、分散型アプリケーション用のデファクトレイヤー1としてイーサリアムが置き換えられることは想像しがたい。

JavaScriptは完璧なプログラミング言語ではないし、長い間かなり深刻な問題に苦しんできた。だがこのことが、Web2.0のデファクトプログラミング言語となるのを止めることはなかった。

我々はすでに転換点に達し、同じことがWeb3.0でのイーサリアムに起こっているのではないかと私は予測している。

そのすべての欠陥及び短所については、この業界で最も賢明な人々が解決に取り組んでおり、さらに障害を少なくするためのツールやインフラを構築している。

こう言うわけで、一巡して私の開発者の議論に戻ってくるのだ。(誰にも言わないでおくから、スティーブ・バルマーの動画をもう一度見てみよう😉)

将来イーサリアムを超えるかなりのアドバンテージを提供する別のプロジェクトが登場し、全イーサリアム開発者を乗り換えさせることは起こりうる…

だが私は自分のERC20をそこに賭けたくはない。

Loom Network は、イーサリアムのハイスケーラブルなDPoSサイドチェーン構築のためのプラットフォームで、大規模ゲームやソーシャルアプリにフォーカスしています。

さらなる情報は こちらから.

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