ランチの約束
友だちとランチの約束をする。メールなどでやりとりして、日にちと時間、場所が決まる。スマホで地図を見ながら、遅刻しないように、待ち合わせの店にたどり着く。ごくあたりまえの、日常のひとコマだ。だが、あらためて考えてみると、何気ないランチの約束でさえも、ぼくたちの複雑で猥雑な毎日のなかに、精巧につくられたひとときだということに気づく。
「時間地理学」と呼ばれる分野がある。人びとのふるまいや、〈モノ・コト〉の空間的な側面ばかりでなく、時間的な変化をも取り扱おうという試みだ。ここでは詳細は省くが、「時間地理学」の研究で多用されるダイアグラムは、とても示唆に富んでいる。