1990年代から日本の行政組織にもイギリスのサッチャー政権下で導入された官の経営的概念や手法が採用され始めた。しかし、日本における風土は、イギリスのようなドライな官民関係ではなく、さらに古くから官尊民卑の意識があり、行政経営マネジメントの導入に組織構造や官民連携に携わるヒトの意識が大きなハードルとなっている。また、概念的なPPP(Public Private…
東日本大震災は、私たちの「足元」を揺れ動かし、拠って立つところがいかに不安定なのかを心底知らしめた。物理的な意味だけでなく、観念的・抽象的なものにまで及ぶ。美術や文学では、自身の存在の基礎から考え直す機運が一挙に高まった。『震美術論』はその中でもかなり深度と射程のある一冊であり、日本列島の美術を、震災から捉え直し、新しい美術史を構想する野心的な著作である。
本書は「グルーヴ」を中心概念のひとつとして身体と音楽との関係を論じたものである。応用現象学の提唱者クリフトン(Clifton…