酔っぱらい

私は「酔っ払い」がたまらなく好きだ。

私のアルバイト先は横浜の繁華街の中心。アルバイト終わりの23時に横浜駅まで歩こうとすると、そこは最早日本とは思えないほどの治安で、終電を逃したであろう酔っ払い達がバタバタ倒れている。そんな人を見ると、酔っ払い好きの私は何かちょっかいを出さずにはいられなくなる。彼らに近づき、「起きてますかー！」と話しかけてみたり、身体を起こさせてみたり引きずってみたりしてその反応を見る。基本その酔っ払い達は寝続けるだけで反応は返って来ないけれど（その時点で私は満足はしている）、男女の分別ができずに口説いてきたり、訳も分からず目の前で笑ったり泣いたりする人もい…

行くか、行かないか

その日は午後から渋谷で用事があったので、約束の時間よりも少し早めに駅に着いて、もうすぐ誕生日を迎える友人にプレゼントを買う予定だった。ドライフラワーが好きな彼女にフラワーベースを贈ろうと思っていたから、前もって渋谷にある良さそうなお店を雑誌で調べていた。

彼女と彼の“さわやか”

「なんで。言ったじゃん」
「だからそうしてんじゃん」
渋谷。スクランブル交差点。男と女。どうやら喧嘩らしい。…

「表現者」として生きる

先日、渋谷のとあるギャラリーで展覧会を行なった。いわば学生生活の締めくくりともいえる個人プロジェクトとしてわたしは、「他人への想像力」をテーマに取り組んだ作品を出展した。３日間の展示期間中、次々とやってくる来場者に対して、わたしはプロジェクトについてなんども繰り返し語った。

「暮らすように旅する」？

スクランブル交差点を横切る間に、何人の写真に写り込んでいるのだろう。人の多さに負けじとスマホや小型カメラを高く掲げ、雑踏を記録する者や、横断歩道の真ん中に立ち、仲間と肩を組みながら記念撮影をする者。彼らの横を、そんなことを考えながらぼんやりと通り過ぎる。今は通行者の私も、…

ふたたび、渋谷で。

渋谷。

大学生になるまでほとんど足を踏み入れたことがなかった場所。自宅から何時間とかかる場所ではないのに、近いようで遠い存在だった。自分が中高生だった頃からは想像もできないが、渋谷は今ではお世話になりっぱなしの場所になっている。

かよう

まちと人との関係。ずっと、引っかかっていた。

私は京都、アメリカの南カリフォルニア、神奈川の湘南と、土地を転々としてきた。引っ越し回数は多くないが、たくさんの出会いと別れをくりかえしてきた。異なるまちへ行くたび、景色は変わり、新しく人に出会う。現地の生…

渋谷の一面

渋谷の一面

都会に出ると、人が溢れかえっているのにも関わらず、どこか寂しさを感じてしまう。こんなにもたくさん人がいるのに、街を歩いていても、電車に乗っていても、自分に目をくれる人はいなく、自分も他人を気にしない。他人から声をかけられる瞬間を頑張…

信号機下の世界

大学生の学期末は忙しい。課題や試験勉強など計画的に進めようと意気込むものの、なかなかそう上手くはいかない。わたしの場合、切羽詰ってくるとカフェに通い、必死にタスクをこなすことが毎回の恒例である。先月も課題に追われ、机に向かう日々が続いていた。