リスク、タスク、業績評価…。合理を目指して明示化された概念が、それを作り出した人間を逆に拘束する。そうした負の再帰性に満ちているのが現代社会だ。さらに厄介なことに、「空気を読め」という同調圧力が、枠組みへの過剰適応を生み出し、我々の生活や文化を支えてきた基盤を食い潰してもいる。一方、そうした矛盾に気付きながら、エコロジーやス…
動かないエスカレーター、感度の悪い自動ドア、スマートフォンのバッテリーが切れる瞬間…。「デザインが役に立つのをやめた瞬間」に感じられる、奇妙で不穏な感覚に覚えはないだろうか。機械への憤りというより、なぜか自分自身の不能として感じられる当惑。その不安。