ブロックチェーンゲーム市場レポート:NFT取引(2019年9月)
前回に続き、9月末時点のブロックチェーンゲーム市場(NFTのセカンダリー取引)について各種データをまとめました。
なお、本レポートでは、下記抽出対象に基づくブロックチェーンのトランザクションデータを参照しております。(参照データ:Etherscan、BigQuery)
*抽出条件*
- NFTのユーザー間取引により発生(OpenSea、Auctionityなどのマーケットプレイス及びCryptoKittiesなどのゲーム内マーケットのトランザクションを対象とする)
- 独自トークンによる取引はETH・USD換算にて算出(MANAなど)
- Decentraland を除く取引を算出
- Ethereum上で発生
- 2018年6月1日〜2019年9月30日に発生
目次
- セカンダリーマーケット動向
- トピックス
- 取引件数 推移
- 取引高 推移
- 平均取引高 推移
- MAU・New user 推移 - タイトル別 比較
- 9月のタイトル別 取引高
- TOP3タイトルの取引高 推移 - 注目タイトル
- 総括
セカンダリーマーケット動向
【取引件数 推移】
9月の取引件数は前月比で大幅なマイナスとなった月でした。
【取引高 推移】
取引件数とは逆に、取引高で見るとETH建・USD建 共にプラス推移となり、ここ最近続いた下落傾向から転じて上昇した月となりました。
【平均取引高 推移】
平均取引高は前月比で大幅なプラスとなり取引単価が全体的に上昇していることがわかります。
【MAU・New user 推移】
MAU・New user 共に前月比でマイナスとなり、セカンダリー取引への参加者が全体的に少なかった月と言えます。
【トピックス】
- 「東京ブロックチェーンゲームカンファレンス2019」でブロックチェーンゲーム各社より重大発表が相次ぐ!(https://pprct.net/nikkan-crypto_190917)
- CryptoKittiesを開発する「Dapper Labs」がゲームに特化したブロックチェーン「Flow」の開発を発表(https://medium.com/dapperlabs/introducing-flow)
- VRゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」を運営する よむネコ社と「MCH」を運営するdouble jump.tokyo 社がVRゲーム上のデジタルデータをNFT化する実証実験を開始(https://prtimes.jp/main/)
- 「Gods Unchained」を開発する「Immutable」が1,500万ドルを調達(https://medium.com/@immutable/immutable-raises-15-million)
- 「Infinity Star(インフィニティ・スター)」がβ版をリリース!(https://medium.com/infinitystar-jp)
- 「ウォレットバトラー」がオープンβテストをリリース!(https://arc.tokyo.jp/pressrelease/)
タイトル別 比較
【9月のタイトル別 取引高】
先月に引き続き、9月もMCH(My Crypto Heroes)が取引高TOPとなりました。続いて先月ランキングを落としたCSC(CryptoSpaceCommanders)が今月は順位を大幅に上げ2位となりました。
その他、7月からセカンダリー取引がはじまったCryotoSpellsが9月に入りTOP10にランクインしたり、新たな顔ぶれにEthereumアドレスを取引するENS(Ethereum Name Service)やゲームのオープンβをリリースしたばかりのInfinityStarがTOP10入りしたりと、今月もまた上位タイトルの入れ替わりが激しかった月だったと言えます。
【TOP3タイトルの取引高 推移】
タイトル別に見てみると、今月はCSCの取引高の上昇が圧倒的であったのがわかり、MCHについては上昇率はCSCほどではないものの先月を上回る取引高で推移しており、引き続き順調な伸びを見せております。
-タイトルリンク-
- MCH(My Crypto Heroes):https://www.mycryptoheroes.net/
- CSC(CryptoSpaceCommanders):https://www.csc-game.com/
- HyperDragons:https://hyperdragons.alfakingdom.com/
注目タイトル
- CryptoSpaceCommanders:https://www.csc-game.com/
CSCは宇宙を舞台にしたシミュレーション・アクションゲームで、プレセール 開始から1年以上になるブロックチェーンゲームです。
6月のレポートで取り上げて移行もタイトル別 取引高でTOP10以内をキープし続けており、9月には普段の取引高に加え下記のような高額取引が2件(#3155:250ETH、#3156:70ETH)行われ取引高を大きく伸ばしました。
CSCはこれまでにブロガーのイケハヤ氏とのコラボや、人気海外ドラマのスタートレックとのコラボなど、ユニークなプロモーションを多数実施しており、現在 注目のタイトルとなっています。
総括
9月はETH建だけでなくUSD建で見ても取引高が前月比でプラスとなり、明るい兆しの見えた月となりました。
タイトル別に見てみると、MCHやCSCといった既存タイトルに加え、ENSやInfinityStarといった新タイトルの躍進が大きな要因となったことがわかります。その他にも、7月にセカンダリー取引を開始したCryptoSpellsが9月に入り取引高を大幅に伸ばしTOP10入りしたりと、プレセール後あまり活発な取引が行われてこなかったタイトルの躍進も要因の一つとなりました。
このように9月は既存タイトルだけでなく、新作タイトルやプレセール後に低調な推移を見せていたタイトルに関しても取引が活発に行われ、全体的に好調な月となったと言えます。
10月にはいよいよGods Unchainedのセカンダリー取引開始が予定しており、さらに年内にはコントラクトサーヴァントのプレセール も控えています。これまで市場を牽引していたタイトルに加え、これからリリースを予定しているタイトルが与える市場の変化について、その動向を引き続きレポートにてお届けしていきたいと思います。