空の青が少しずつ淡さを帯びはじめ、温かい飲み物が一層恋しくなる時節になってきた。
仕事を始める時、一旦気持ちを切り替える時、何かしら静謐な時間を求める時、一杯の珈琲を淹れるのが習慣だ。
思い立ったら、コンロに火を点け、コーヒーケトルを置く。このケトルは、2年前の母の誕生日に買ったものと同じだ。前々から自分が欲しかったものを2つ買って、片方贈った。注ぎ口のカーブが艶やかで、お湯の軌道が美しいのが気に入っている。