まんまんちゃんの部屋
庇のある部屋は、“まんまんちゃんの部屋”。祖父母の家にある畳の部屋だ。広さは12畳ほどで、幾つかの立派な仏壇が壁際にずらっと並んでいる。夜になると月明かりで仏壇が照らされてちょっぴり怖い部屋になるが、昼間はお供え物が食べ放題の最高の遊び場だった。部屋は庭に面していて、私と祖母が庭で遊んでいるとき、祖父はよく縁側に座っていた。縁側の上には、ちょこんと出っ張っている庇があり、雨も日差しも緩やかに防いでくれた。祖母と遊んだあと休憩するときは、祖父の元へ行きホッと一息ついたものだ。そんな優しいまんまんちゃんの部屋が大好きだった。