ブロックチェーンゲーム市場レポート:NFT取引(2019年11月)

Hiroyuki Narita
Metaps Blockchain JP
8 min readDec 25, 2019

--

前回に続き、11月末時点のブロックチェーンゲーム市場(NFTのセカンダリー取引)について各種データをまとめました。

なお、本レポートでは、下記抽出対象に基づくブロックチェーンのトランザクションデータを参照しております。(参照データ:EtherscanBigQuery

*抽出条件*

  • NFTのユーザー間取引により発生(OpenSeaAuctionityなどのマーケットプレイス及びCryptoKittiesなどのゲーム内マーケットのトランザクションを対象とする)
  • 独自トークンによる取引はETH・USD換算にて算出(MANAなど)
  • Decentraland を除く取引を算出
  • Ethereum上で発生
  • 2018年6月1日〜2019年11月30日に発生

目次

  • セカンダリーマーケット動向
    - トピックス
    - 取引件数 推移
    - 取引高 推移
    - 平均取引高 推移
    - MAU・New user 推移
  • タイトル別 比較
    - 11月のタイトル別 取引高
    - TOP3タイトルの取引高 推移
  • 注目タイトル
  • 総括

セカンダリーマーケット動向

【取引件数 推移】

11月の取引件数は前月比で大幅なプラスとなりました。

【取引高 推移】

取引高で見ると10月から続く高い水準を維持しているものの、ETH建・USD建 共に若干のマイナスとなりました。

【平均取引高 推移】

平均取引高で見ると、取引あたりの単価が前月比で大幅なマイナスとなり、先ほどの取引高のマイナスにつながったと考えられます。

【MAU・New user 推移】

MAU・New user 共に前月比で若干のマイナスとなりました。

しかしながら、週次の推移で見ると月末に行くにつれて増加傾向となっており、12月以降のユーザー増加に期待の持てる月であったと言えます。

【トピックス】

タイトル別 比較

【11月のタイトル別 取引高】

先月のレポートで注目タイトルとして紹介したトレーディングカードゲームのGods Unchainedが2位のMCH(My Crypto Heroes)を大きく突き放し圧倒的な取引高となりました。

その他、新たなタイトルとしてはユーザーが自由に空間を作れるボクセルアートの「Cryptovoxels」が新たにランクインした以外は変化はなく、比較的落ち着いた月であったと言えます。

【TOP3タイトルの取引高 推移】

タイトル毎に見てみると、今月はやはりGods Unchainedの取引高が圧倒的であったのがわかります。最も安いカードには0.0001eth程度で売買されているものもあれば、最も高く売買されたカードには235ethにも及んだカードもあり注目が集まるタイトルであることが伺えます。

その他、2タイトルについては先月まで続いていた上昇に落ち着きが見られ、MCH、ENS 共に前月比ではマイナスの推移となりました。

-タイトルリンク-

注目タイトル

EOS Knightsを開発したBiscuit社が手掛けたRPGゲームで、EthereumやTron、EOSなどの複数のブロックチェーンに対応しています。

EOS Knightsは、MCHと肩を並べてユーザー数・取引高が世界でトップクラスのブロックチェーンゲームとして人気を集めたゲームで、KnightStoryはその続編としてリリースされた注目のタイトルとなっています。

ゲーム自体はオートバトル制を取り入れたRPGゲームで、クエストや村作りに加え、木材や鉄などの70以上の素材を用いて剣や防具など200以上の装備を作ることができる本格的なRPGゲームとなっています。

ゲーム自体はモバイルアプリで手軽にプレイすることができ、比較的ライトなユーザーにも楽しんでもらえる仕様となっています。

https://apps.apple.com/jp/app/knight-story/id1475866527

11月に実施されたプレセールではおよそ500ETHにも及ぶ売上があり、今後の盛り上がりが期待できるタイトルと言えます。

総括

11月は前月に続き取引件数・取引高 共に高い水準となりました。特に取引件数に関しては、前月比で5倍となりこれまでにない盛り上がりを見せた月と言えます。

タイトル別に見てみると、今月から取引が解禁されたGods Unchained がこれまで上位に位置していたMCHを大きく抜き去り驚異的な取引高を叩き出しました。Gods Unchained はプレセールが1年間にわたって行われ、およそ10,000のユーザーが参加し33,333 eth分のジェネシスカードが完売となった話題のタイトルで、そのタイトルのセカンダリー取引が解禁したということで、これまでにない盛り上がりにつながったと考えられます。

Gods Unchained と同様にトレーディングカードゲームを展開する国内タイトルのCryotoSpells に関しても、ここのところ順調な取引高で推移しており、Gods Unchained と同じく今後も取引が期待できるタイトルと言えます。

12月はいよいよ国内の注目タイトルでコントラクトサーヴァントのプレセールが実施されます。Gods Unchained、CryotoSpells と同様のカードバトル形式のブロックチェーンゲームということで、今後も市場のさらなる伸びが期待できるのではないでしょうか。

--

--