ブロックチェーンゲーム市場レポート:NFT取引(2019年12月)

Hiroyuki Narita
Metaps Blockchain JP
7 min readFeb 10, 2020

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前回に続き、12月末時点のブロックチェーンゲーム市場(NFTのセカンダリー取引)について各種データをまとめました。

なお、本レポートでは、下記抽出対象に基づくブロックチェーンのトランザクションデータを参照しております。(参照データ:EtherscanBigQuery

*抽出条件*

  • NFTのユーザー間取引により発生(OpenSeaAuctionityなどのマーケットプレイス及びCryptoKittiesなどのゲーム内マーケットのトランザクションを対象とする)
  • 独自トークンによる取引はETH・USD換算にて算出(MANAなど)
  • Decentraland を除く取引を算出
  • Ethereum上で発生
  • 2018年6月1日〜2019年12月31日に発生

目次

  • セカンダリーマーケット動向
    - トピックス
    - 取引件数 推移
    - 取引高 推移
    - 平均取引高 推移
    - MAU・New user 推移
  • タイトル別 比較
    - 12月のタイトル別 取引高
    - TOP3タイトルの取引高 推移
  • 総括

セカンダリーマーケット動向

【取引件数 推移】

12月の取引件数は前月の躍進を上回る取引件数で推移しました。

【取引高 推移】

取引高で見ると10月から続く高い水準を維持しており、ETH建・USD建 共にプラスの伸びとなりました。

【平均取引高 推移】

平均取引高は先月に引き続き取引あたりの単価は低い水準を維持しており、反対にユーザーあたりの単価は高い水準を維持している状態でした。

【MAU・New user 推移】

MAUは1割の増加となり、反対にNew user については前月比で3割近く下落しました。

11月にGods Unchainedのセカンダリー取引開始もあったことから、12月もMAUが高い水準となりましたが、反対に11月の大幅な新規ユーザー増加の反動から12月の新規ユーザーが低い水準となってしまったと考えられます。

【トピックス】

タイトル別 比較

【12月のタイトル別 取引高】

先月に引き続きトレーディングカードゲームのGods Unchainedが圧倒的な取引高をキープし1位となり、続いて先月同様にMCH(My Crypto Heroes)が2位をキープしました。

そして、10月より徐々に順位を上げてきたCryptospellsがなんと3位にランクインとなりました。。

【TOP3タイトルの取引高 推移】

タイトル毎に見てみると、今月はやはりGods Unchainedの取引高が圧倒的であったのがわかります。また、伸び率だけで見ると3位にランクインしたCryotospellsもETH建てで71%も取引高を伸ばしており、半年前にゲームがリリースして以降、着実にユーザーを増やしゲームを通じてアセットの価値を高めていったのではないかと考えられます。

-タイトルリンク-

総括

12月は前月に続き取引件数・取引高 共に高い水準となりました。その中でも特にGods Unchainedの取引件数・取引高が他のタイトルと比較して吐出しており、マーケット全体を牽引したと言えます。

その他のタイトルを見てみると、今月もMCHが取引高上位に位置し、さらに3位にはこれまで着々と取引高を伸ばしてきたCryptospellsがランクインしました。毎月のように新しいタイトルがプレセールを実施し、その直後に大きな盛り上がりを見せては翌月から減少傾向になるというのが最近のトレンドでしたが、今月上位3タイトルはいずれもプレセール実施以降も着々と取引高を高めており、ゲームを通じてアイテム価値を向上させているのがよくわかります。

12月末にプレセールを実施したばかりのコントラクトサーヴァントが1月から本格的にゲームが開始するということもあり、今月上位にランクインした3タイトルに続いて、取引高が伸ばせるかどうかその動向に注目したいと思います。

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