ブロックチェーンゲームマーケット ビジュアルレポート:NFT取引(4月号)

Hiroyuki Narita
Metaps Blockchain JP
9 min readApr 24, 2020

ブロックチェーンゲームマーケット(NFTのセカンダリー取引)ついて、各種ビジュアルデータ中心にお届けします。

なお、本レポートでは、下記抽出対象に基づくブロックチェーンのトランザクションデータを参照しております。(参照データ:miimeEtherscanBigQuery

*抽出条件*
- NFTのユーザー間取引により発生(マーケットプレイス及びゲーム内マーケット参照)
- ETHまたはWETHによる取引を参照(MANAなど独自トークンを除いて算出)
- 2018年6月1日〜2020年3月31日に発生

目次

  • 【全期間】*2018.6 -2020.3
    - マーケット動向
  • 【直近3ヶ月 】*2020.1–2020.3
    - マーケット動向
    -タイトル別取引高 シェア状況
    - TOP3タイトル 取引高・ユーザー動向
    - 3月の高額取引TOP2
    - カテゴリ別 取引高シェア状況
    - ユーザータイプ別 取引高シェア状況
    - 取引タイプ別 取引高シェア状況

【全期間】*2018.6.1–2020.3.31

■マーケット動向(月次推移)

  • 取引高:2月の上昇から一点、3月はETH建てJPY建て共にマイナスとなり市場全体として盛り上がりに欠ける月でした。
  • 取引件数:2月に続き3月も低調な取引件数となり、Gods Unchainedがリリースされた10月以降 数ヶ月続いた急上昇も一時的なイベントであったことがわかります。
  • MAU:取引高の推移とは異なり、ユーザー数に関しては先月に比べプラスとなりました。その内、新規ユーザーは1月以降継続してプラスを維持しており、セカンダリー市場の参加ユーザーは増加傾向にあることがわかります。

【直近3ヶ月 】*2020.1–2020.3

■マーケット動向(週次推移)

  • 取引高:直近3ヶ月の推移で見ると1月以降横ばい傾向だった取引高が緩やかに減少していっているのがわかります。
  • 取引件数:1月まではGods Unchainedが大きく牽引しておりましたが、2月以降は全体的に落ち着いた取引件数を見せております。
  • WAU:週によってユーザー数にばらつきがあり、直近3ヶ月で見ると全体的には横ばいの推移を見せているといてます。

■タイトル別 取引高シェア状況

先月のレポート時点では、取引全体のおよそ3割をGods Unchainedが占めておりましたがここにきて大幅にそのシェアを落とし、その代わりとしてMy Crypto Heroes(MCH)Cryptovoxelsといったタイトルのシェア向上が顕著でした。

■TOP3タイトル 取引高・ユーザー動向

タイトル毎にると、Gods Unchainedの急激な状況変化がここ3ヶ月の取引高・ユーザー数の推移を見てもよくわかります。もともと市場全体の3割の取引高を占めるほどだったことを考えると、適正値への収束を測っている最中のか、あるいはタイトルそのもの衰退を意味しているのか、今後の動向に注目が集まります。

その他、今回注目のNewタイトルに2月ごろから取引高を急激に伸ばし始めたらSOMNIUM SPACE(PARCEL)が挙げられます。こちらはCryptovoxelsと同様にクラフト系(ヴァーチャル空間)のタイトルで、ここ最近取引を急激に伸ばしています。現状ではまだ、上位のタイトルに及ない取引高ですが、今後期待の集まるタイトルと言えます。

■3月の高額取引TOP2

この3ヶ月間で最も取引額が高かったアイテムが2つともMy Crypto Heroes(MCH)のキャラクターでそれぞれ45ETHと34.93ETHという高値で取引が行われました。特にNo.1のキャラクターは先月のレポートでもNo.2の値段(50ETH)で取引された人気キャラクターであり、ゲームリリース以降 1年経ってもなお、その価値を保ち続けているユニークなキャラクターと言えます。

■カテゴリ別 取引高シェア状況

先月のレポート同様に、取引が盛んなもカテゴリの上位としてトレーディングカードゲーム(TCG)、バトル、クラフトが挙げられます。しかしながら先にもたびたび触れているように、2月以降Gods Unchainedの取引高・取引件数の伸びが急激に落ちていることから、来月以降のレポートでカテゴリ順位どのように変動するか注目が集まります。

またタイトル別に見ると、トレーディングカードゲーム(TCG)のCryptospellsは先月のレポート時点では3位となっておりましたが、今回のレポート時点では2位にまで順位を上げ、着実な取引高の増加を遂げています。クラフト系でも同様の動きを見せているタイトルに、先ほどNewタイトルとして取り上げたSOMNIUM SPACE(PARCEL)が挙げられます。こちらも先月のレポート時点では同カテゴリ中3位だったところ、取引高を伸ばし今回2位にまで順位を上げました。

このようにカテゴリ毎に見ると、これまで順調な伸びを見せていたタイトルがここにきて鈍化傾向となったり、反対に取引高を伸ばして上位にランクインするタイトルが出てきていたりと、まだまだ変化の激しい市場であることがわかります。そのような環境下で、今後どのようなタイトルが思わぬ盛り上がりを見せるか注目していきたいと思います。

■ユーザータイプ別 取引高シェア状況

現時点でもユーザータイプ別に取引状況を見ていくと、現状はまだ販売側と購入側でそこまで大きな差はない状態と言えます。

また、それぞれのタイプ別に取引高TOP10ユーザーのシェア率を見てもそこまで大きなシェアではないため、現在の取引に参加しているユーザー全体でマーケットが支えられている状態と言えます。

■取引タイプ別 取引高シェア状況

引き続きNFT全体で見るとマーケットに出品されたアイテムを購入するルートが取引の大半を占めているのがわかります。

しかしながら、2月以降徐々にプライベートセール の比率が増加傾向にあり、取引における何らかの変化が起きたのではないかと考えられます。考えられる要因としては、プライベートセール が発生しやすいGateway方式(詳細は前回レポートにて解説)を導入した日本タイトルのシェアが増加傾向にあるという点です。事実、My Crypto Heroes(MCH)はじめとしたBrave Frontier Heroes(BFH)やCryptpspellsといった日本タイトルが取引シェアを伸ばしており、決して軽微な存在とは言えなくなってきております。とは言え、まだプライベートの比率は低い状態であり、今後のこの比率がどのように変化していくか、個別タイトルの推移と照らし合わせながら、その要因を探っていきたいと思います。

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