ブロックチェーンゲームマーケット ビジュアルレポート:NFT取引(5月号)

Hiroyuki Narita
Metaps Blockchain JP
10 min readMay 18, 2020

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ブロックチェーンゲームマーケット(NFTのセカンダリー取引)ついて、各種ビジュアルデータ中心にお届けします。

なお、本レポートでは、下記抽出対象に基づくブロックチェーンのトランザクションデータを参照しております。(参照データ:miimeEtherscanBigQuery

*抽出条件*
- NFTのユーザー間取引により発生(マーケットプレイス及びゲーム内マーケット参照)
- ETHまたはWETHによる取引を参照(MANAなど独自トークンを除いて算出)
- 2018年6月1日〜2020年4月30日に発生

目次

  • 【全期間】*2018.6 -2020.4
    - マーケット動向
  • 【直近3ヶ月 】*2020.2–2020.4
    - マーケット動向
    -タイトル別取引高 シェア状況
    - TOP3タイトル 取引高・ユーザー動向
    - 4月の高額取引TOP2
    - カテゴリ別 取引高シェア状況
    - ユーザータイプ別 取引高シェア状況
    - 取引タイプ別 取引高シェア状況

【全期間】*2018.6.1–2020.4.30

■マーケット動向(月次推移)

  • 取引高:4月はETH建てJPY建て共にプラスとなり、ここ数ヶ月続いた下落傾向か一転し、盛り上がりを見せた月でした。
  • 取引件数:取引高とは異なり、取引件数に関すては3月に続き4月も低調な推移となりました。
  • MAU:取引高と同様、ユーザー数に関しても先月に比べマイナスとなり、さらにここ数ヶ月続いた新規ユーザーのプラス成長に陰りが見え、4月はマイナスとなりました。

【直近3ヶ月 】*2020.2–2020.4

■マーケット動向(週次推移)

  • 取引高:週毎の取引高の推移を見ると少々の波はあるものの直近3ヶ月ほぼ横ばいに推移しており、市場全体として落ち着きを見せているのが分かります。
  • 取引件数:安定した推移を維持する取引高に比べ、取引件数については週毎に波が存在し、3月にかけて大きく取引件数が伸びて以降下降傾向にあるのが分かります。
  • WAU:取引件数と同様に4月にかけてユーザー数が伸びて以降、4月にかけて緩やかな下降傾向となりました。直近の推移を見ると、取引件数・ユーザー数は比較連動しており市場参加者の動向を見る上では参考になる数値と言えそうです。

■タイトル別 取引高シェア状況

先月のレポート時点では、取引シェア1位であったGods Unchainedが今月のレポートでは4位にまでシェアを落としました。これは昨年11月のトレード開始以降数ヶ月続いた急激な盛り上がりが異常値であったと言え、2月以降は正常な取引高になったと考えられます。

そして、その代わりとして取引シェア1位となったのがCryptovoxelsです。Cryptovoxelsはこれまでのレポートでも数回取り上げてきましたが、ここ数ヶ月ジワジワと取引高を増加させてきたタイトルになります。急激な上昇ではなく、着実な取引高を積み重ねてきた点で見るとGods Unchainedと対照的と言え、今後の推移にも期待が集まります。

■TOP3タイトル 取引高・ユーザー動向

タイトル毎にると、1位を獲得したCryptovoxelsのは2月に急激な取引高を見せていこう安定きてな取引高を維持しております。そのため、この取引高が一過性ではなく、今後も安定的に継続していくであろうことが期待できます。

また、先月のレポートで注目のNewタイトルとしれ取り上げたSOMNIUM SPACE(PARCEL)が今月のレポートでさらに取引高をあげついに2位のシェアまで上昇しました。今回シェアを大幅に上昇させ1位、2位となった2タイトルともにクラフト系(ヴァーチャル空間)のタイトルであり、ゲーム以外のタイトルが今度も継続的に取引高を維持することができるのか期待して行きたいと思います。

■4月の高額取引TOP2

4月の取引されたNFTの中で最も取引額が高かったアイテムがSOMNIUM SPACE(PARCEL)とMy Crypto Heroes(MCH)の2つのタイトルでした。それぞれ30ETHと24ETHと前回のレポートで取り上げた2つのアイテムに比べてETHで見ると見劣りしますが、4月はETHの価格自体が3月に比べて急上昇したこともあり、JPY建て見ると同等の取引額でトレードされたのが分かります。今回注目したいのは、今月もまたMy Crypto Heroes(MCH)のNFTが高額で取引が行われたという点です。ゲームリリース以降 1年経ってもなお、上位の取引シェアをキープし続け、アセット単体で見てもその価値を保ち続けているという点では、今後もその存在感を見せてくれるタイトルとして期待が集まります。

■カテゴリ別 取引高シェア状況

先月のレポート同様に、取引が盛んなカテゴリの上位としてトレーディングカードゲーム(TCG)、バトル、クラフトが挙げられます。中でTCGに関しては、Gods Unchainedの取引高・取引件数の伸び悩む中、全体のシェアとしては10%も増加しております。要因としては先月比で取引シェアを大きく伸ばしたCryptospellsがTCG全体のシャア向上に貢献していると考えられます。TCG同様に取引シェアを伸ばしたカテゴリにクラフトが挙げられます。これは先ほどから何度か取り上げている、Cryptovoxels、SOMNIUM SPACE(PARCEL)の取引高の高騰が要因として考えられます。

その他、先月のレポート時点からシェアを伸ばしたタイトルにBrave Frontier Heroes(BFH)があげられ、同カテゴリにおいて圧倒的1位のシェアをこれまで保持していたMy Crypto Heroes(MCH)に迫る勢いとなっております。

直近数ヶ月の動きとして、これまで順調な伸びを見せていたタイトルがここにきて鈍化傾向となり、反対に着実な取引高を積み重ねてきたタイトルがここにきてシェアを伸ばし上位にランクインしてきているといった傾向が見られます。今後リリース予定の新規タイトルの動向含め、これまでの上位に位置してきたタイトルがどのような取引高推移を見せていくか注目していきたいと思います。

■ユーザータイプ別 取引高シェア状況

ユーザータイプの割合は、先月のレポートから大きな変化はなく販売側と購入側でそこまで大きな差はない状態となっています。

しかしながら、先月のレポート時点と大きく変化を見せたのが販売ユーザーのTOP10シェア率で、前回と比較して8%の増加となりました。特にTOP3のユーザーで4割程度占めており、大口ユーザーの売却が目立ったことが読み取れます。

現状、まだまだ限られた参加ユーザーで構成されているセカンダリー市場において、TOPユーザーの取引が与える市場へのインパクトは軽微とは言えず、引き続きTOPユーザーの動向にも注目していきたいと思います。

■取引タイプ別 取引高シェア状況

これまで取引タイプ全体の8%程度であったプライベート取引が2月以降じわじわと取引量を増やし、ついにの20%のシェアにまでなりました。

要因として考えられるのは、プライベートセール が発生しにくいGods Unchainedなどこれまで市場を牽引してきたタイトルの取引高減少が挙げられ、加えてプライベートセール が発生しやすい日本タイトル(My Crypto Heroes(MCH)、Brave Frontier Heroes(BFH)、Cryptpspellsなど)の取引高が増加が大きな要因として考えられます。

とは言え、まだプライベートの比率は2割の状態であり、あらにここ最近、着実な盛り上がりを見せているCryptovoxels、SOMNIUM SPACE(PARCEL)といったマーケット取引が主である海外タイトルの勢いが増加していくとまた以前の割合に戻ることも考えられ、今後のこの比率がどのように変化していくか、個別タイトルの推移と照らし合わせながら、その要因を探っていきたいと思います。

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