ブロックチェーンゲームマーケット ビジュアルレポート:NFT取引(6月号)

Hiroyuki Narita
Metaps Blockchain JP
9 min readJun 15, 2020

ブロックチェーンゲームマーケット(NFTのセカンダリー取引)ついて、各種ビジュアルデータ中心にお届けします。

なお、本レポートでは、下記抽出対象に基づくブロックチェーンのトランザクションデータを参照しております。(参照データ:miimeEtherscanBigQuery

*抽出条件*
- NFTのユーザー間取引により発生(マーケットプレイス及びゲーム内マーケット参照)
- ETHまたはWETHによる取引を参照(MANAなど独自トークンを除いて算出)
- 2018年6月1日〜2020年5月31日に発生

目次

  • 【全期間】*2018.6 -2020.5
    - マーケット動向
  • 【直近3ヶ月 】*2020.3–2020.5
    - マーケット動向
    -タイトル別取引高 シェア状況
    - TOP3タイトル 取引高・ユーザー動向
    - 5月の高額取引TOP2
    - カテゴリ別 取引高シェア状況
    - ユーザータイプ別 取引高シェア状況
    - 取引タイプ別 取引高シェア状況

【全期間】*2018.6.1–2020.5.31

■マーケット動向(月次推移)

  • 取引高:好調だった4月の取引高から一転、5月はETH建てJPY建て共にマイナスとなりました。ETH価格の上昇もありJPY建てでは若干のマイナスに留まりましたが、ETH建てで見ると19%のマイナスとなり先月比で大幅な下落となりました。
  • 取引件数:取引件数に関しても先月比較で大幅なマイナスとなり、1月以降続く下落傾向がさらに勢いを増したと言えます。
  • MAU:取引高・取引件数と同様にユーザー数に関しても先月に比べマイナスとなり、全体的に厳しい月であったことがわかります。

【直近3ヶ月 】*2020.3.1–2020.5.31

■マーケット動向(週次推移)

  • 取引高:週毎の取引高の推移を見ると、少々の波はあるもののほぼ横ばいに推移しており、ここ3ヶ月落ち着きを見せているのがわかります。
  • 取引件数:横ばいの推移を見せる取引高に比べ、取引件数については週を追うごとに減少しているのが見て取れ、取引数の減少がトレンド化しているのがわかります。
  • WAU:取引件数ほどでないものの、週を追うごとにユーザー数の減少が見られ、市場参加者の減少がトレンド化しているのがわかります。

■タイトル別 取引高シェア状況

先月のレポート時点では、躍進を遂げ取引シェア1位となったCryptovoxelsが今月のレポートでは2位となり、今回1位となったのがSOMNIUM SPACE(PARCEL)でした。SOMNIUM SPACE(PARCEL)はここ数回のレポートで何度か取り上げた注目のタイトルで、Cryptovoxelsと並びここ数ヶ月ジワジワと取引高を増加させてきたクラフト系(ヴァーチャル空間)のタイトルです。その他にもAvastarAzimuthなど非ゲームのタイトルが安定的に上位にランクインするようになっており、NFTのユースケースが多様化してきているのがわかります。

■TOP3タイトル 取引高・ユーザー動向

タイトル毎にると、1位を獲得したSOMNIUM SPACE(PARCEL)は直近の激しい上下を除くと、3月以降 右肩上がりの推移を見せており、安定的に取引高を伸ばしているのがわかります。

また今回、注目のタイトルで取り上げたのは取引高シェア8位にランクインしたZed Run(ZedToken)です。Zed Runは以前にもレポートで取り上げたことのある競走馬育成ゲームで、1年ほど前にプレセールを実施以降、目立った取引が発生していませんでしたが、ここにきて取引高を伸ばし上位にランクインしました。要因として考えられるのは、年初に運営側が発表したロードマップにあるゲームリリースのタイミングです。

今年、2020年2Qにもレースやベッティングが解放されるようで、その時期が近くなってきたことが取引を活性化させた要因ではないかと考えられます。実際にゲームリリースされて以降も現状の取引高が維持されるのかどうか引き続き注目して行きたいと思います。

■5月の高額取引TOP2

5月に取引されたNFTの中で最も取引額が高かったアイテムがMCH plusとパートナーになったChainGuardiansで50ETHの取引が発生しました。ゲーム全体で見ると、まだ目立った取引高ではありませんが、個別アイテムで見ると今回のような高額取引が発生しており、今後タイトル全体としてどのように取引高が推移していくのか注目していきたいと思います。

■カテゴリ別 取引高シェア状況

先月のレポート同様に、取引が盛んなカテゴリの上位としてトレーディングカードゲーム(TCG)、バトル、クラフトが挙げられ、シェア率で見ても大幅な変化は見られませんでした。

カテゴリ別に見るとクラフトのみCryptovoxelsとSOMNIUM SPACE(PARCEL)のシェア率に逆転が見られましたが、それ以外のカテゴリについては大きな変化もなく、これまで激しい順位変動が行われていた市場もここ最近は安定した状態が続いているのがわかります。

■ユーザータイプ別 取引高シェア状況

ユーザータイプ割合に関しても、先月のレポートから大きな変化はなく販売側と購入側でそこまで大きな差はない状態となっています。

しかしながら、ユーザータイプを個別に見ると先月にも増して大きな変化を見せたのが販売ユーザーのTOP10シェア率で、前回と比較してさらに2%の増加となりました。これまであまり変化のなかった販売側のTOP10シェア率が直近2回のレポートではどちらも増加しており、大口ユーザーの売却が徐々に強まっているのがわかります。市場全体の推移とTOPユーザーの動きがどのくらい相関性があるのか、来月以降の動きを見て改めて個別解説していきたいと思います。

■取引タイプ別 取引高シェア状況

先月20%にまでシェアを伸ばしたプライベート取引が、今回さらに2%ほど伸ばし、徐々に勢いが増しているのがわかります。

しかしながらここ最近はプライベートセールが発生しやすい日本型(Gateway方式)の新たなタイトルは出現していなく、現状のプライベートセールのシェア率を牽引しているのは既存タイトル(My Crypto Heroes(MCH)、Brave Frontier Heroes(BFH)、Cryptpspells)の存在が大きいと考えられます。

現状、各社のロードマップを見る限り直近で同様の性質(Gateway方式)を持つ新規タイトルのリリースは予定されていなく、今後もこのプライベートセールのシェア率が伸びていくのか、既存タイトルの取引高推移に注目しながら、その要因を紐解いていきたいと思います。

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