生物学 第2版 — 表紙・目次・序文 —

Japanese translation of “Biology 2e”

Better Late Than Never
31 min readOct 1, 2019

OpenStax のサイトで公開されている教科書“ Biology 2e”の翻訳です。こちらのページから各章へ移動できます。

生物学 第2版

責任著者

メアリー・アン・クラーク、テキサス・ウェスレイアン大学
ジュン・チョイ、ジョージア工科大学
マシュー・ダグラス、グランド・ラピッズ・コミュニティーカレッジ

OpenStax
Rice University
6100 Main Street MS-375
Houston, Texas 77005

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Original Publication Year 2018

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カルヴィン・K・カザニジャンは Peter Paul (Almond Joy), Inc. の創業者で社長を務めました。彼は、基本的な経済学についてより多くの人々が理解すればするほど、彼らはより幸せで繁栄することになると確信していました。したがって、彼は1949年に、経済学的理解を高める努力を支援するために、慈善的・非政治的教育機関としてカルヴィン・K・カザニジャン経済学財団を設立しました。

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マックスフィールド財団は、科学、教育、持続可能性、社会的に重要な他の分野において高い影響力を持つ潜在能力のあるプロジェクトを支援しています。

マイケルソン20MM財団の使命は、手ごろな価格への不必要なハードルを排除してアクセスと成功を育てることです。私たちは、既存の価値を打ち砕く技術、オープン教育リソース、および営利団体・非営利団体と公共団体との共同作業のための新しいモデルを活用することにより、より効果的でより手ごろな価格の教育コンテンツの作成、共有、普及を支援します。

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目次

序文

ユニット1:生命の化学

第1章 生命の研究

1.1:生物学の科学
1.2:生物学のテーマと概念

第2章 生命の化学的な基盤

2.1:原子、同位体、イオン、分子:基礎的要素
2.2:水
2.3:炭素

第3章 生物学的高分子

3.1:生物学的高分子の合成
3.2:炭水化物
3.3:脂質
3.4:タンパク質
3.5:核酸

ユニット2:細胞

第4章 細胞構造

4.1:細胞を学ぶ
4.2:原核細胞
4.3:真核細胞
4.4:細胞内膜系およびタンパク質
4.5:細胞骨格
4.6:細胞のつながりと細胞活動

第5章 原形質膜の構造と機能

5.1:成分と構造
5.2:受動輸送
5.3:能動輸送
5.4:総体輸送

第6章 代謝

6.1:エネルギーと代謝
6.2:ポテンシャルエネルギー、運動エネルギー、自由エネルギー、活性化エネルギー
6.3:熱力学の法則
6.4:ATP:アデノシン三リン酸
6.5:酵素

第7章 細胞呼吸

7.1:生物系のエネルギー
7.2:解糖
7.3:ピルビン酸の酸化とクエン酸回路
7.4:酸化的リン酸化
7.5:酸素を伴わない代謝
7.6:炭水化物、タンパク質、脂質の代謝経路の関連
7.7:細胞呼吸の調節

第8章 光合成

8.1:光合成の概要
8.2:光合成の光依存反応
8.3:光エネルギーを使って有機分子を作る

第9章 細胞通信

9.1:シグナリング分子と細胞受容体
9.2:シグナルの伝播
9.3:シグナルに対する反応
9.4:単細胞生物におけるシグナリング

第10章 細胞増殖

10.1:細胞分裂
10.2:細胞周期
10.3:細胞周期の制御
10.4:がんと細胞周期
10.5:原核細胞の分裂

ユニット3:遺伝学

第11章 減数分裂および有性生殖

11.1:減数分裂のプロセス
11.2:有性生殖

第12章 メンデルの実験と遺伝

12.1:メンデルの実験と確率の法則
12.2:特徴と形質
12.3:遺伝の法則

第13章 遺伝の現代的な理解

13.1:染色体理論と遺伝的連鎖
13.2:遺伝性疾患の染色体的基礎

第14章 DNAの構造と機能

14.1:現代的な理解の歴史的基盤
14.2:DNA構造とシークエンシング
14.3:DNA複製の基本
14.4:原核生物におけるDNA複製
14.5:真核生物におけるDNA複製
14.6:DNA修復

第15章 遺伝子とタンパク質

15.1:遺伝コード
15.2:原核生物の転写
15.3:真核生物の転写
15.4:真核生物におけるRNAプロセシング
15.5:リボソームとタンパク質合成

第16章 遺伝子の発現

16.1:遺伝子発現の調節
16.2:原核生物の遺伝子調節
16.3:真核生物のエピジェネティック遺伝子調節
16.4:真核生物の転写遺伝子調節
16.5:真核生物の転写後遺伝子調節
16.6:真核生物の翻訳および翻訳後遺伝子調節
16.7:がんと遺伝子調節

第17章 バイオテクノロジーとゲノミクス

17.1:バイオテクノロジー
17.2:ゲノムをマッピングする
17.3:全ゲノムシークエンシング
17.4:ゲノミクスを応用する
17.5:ゲノミクスとプロテオミクス

ユニット4:進化プロセス

第18章 進化と種の起源

18.1:進化を理解する
18.2:新しい種の形成
18.3:再結合率と種分化率

第19章 集団の進化

19.1:集団の進化
19.2:集団遺伝学
19.3:適応進化

第20章 系統発生と生命の歴史

20.1:地球上の生命を整理する
20.2:進化的関係を決定する
20.3:系統樹についての展望

ユニット5:生物学的な多様性

第21章 ウイルス

21.1:ウイルスの進化、形態学、および分類
21.2:ウイルス感染と宿主
21.3:ウイルス感染の予防と治療
21.4:他の無細胞実体:プリオンとウイロイド

第22章 原核生物:細菌と古細菌

22.1:原核生物の多様性
22.2:原核生物の構造:細菌と古細菌
22.3:原核生物の代謝
22.4:人間における細菌性疾患
22.5:有益な原核生物

第23章 原生生物

23.1:真核生物の起源
23.2:原生生物の特徴
23.3:原生生物のグループ
23.4:原生生物の生態

第24章 菌類

24.1:菌類の特徴
24.2:菌類の分類
24.3:菌類の生態
24.4:菌類寄生生物と病原体
24.5:人間の生活における菌類の重要性

第25章 種子のない植物

25.1:初期の植物の生命
25.2:緑藻類:陸上植物の先駆け
25.3:コケ植物
25.4:種子のない維管束植物

第26章 種子植物

26.1:種子植物の進化
26.2:裸子植物
26.3:被子植物
26.4:種子植物の役割

第27章 動物の多様性への入門

27.1:動物界の特徴
27.2:動物を分類するために使われる特徴
27.3:動物の系統発生
27.4:動物界の進化の歴史

第28章 無脊椎動物

28.1:海綿動物門
28.2:刺胞動物門
28.3:冠輪動物上門:扁形動物、輪形動物、紐形動物
28.4:冠輪動物上門:軟体動物と環形動物
28.5:脱皮動物上門:線形動物と緩歩動物
28.6:脱皮動物上門:節足動物
28.7:後口動物上門

第29章 脊椎動物

29.1:脊索動物
29.2:魚類
29.3:両生類
29.4:爬虫類
29.5:鳥類
29.6:哺乳類
29.7:霊長類の進化

ユニット6:植物の構造と機能

第30章 植物の形態と生理学

30.1:植物体
30.2:茎
30.3:根
30.4:葉
30.5:植物における水と溶質の輸送
30.6:植物の感覚システムと反応

第31章 土壌と植物の栄養摂取

31.1:植物の栄養上の必須要件
31.2:土壌
31.3:植物の栄養上の適応

第32章 植物の生殖

32.1:生殖的な発達と構造
32.2:受粉と受精
32.3:無性生殖

ユニット7:動物の構造と機能

第33章 動物体:基本形態と機能

33.1:動物の形態と機能
33.2:動物の主要組織
33.3:恒常性

第34章 動物の栄養摂取と消化器系

34.1:消化器系
34.2:栄養摂取とエネルギー生産
34.3:消化器系のプロセス
34.4:消化器系の調節

第35章 神経系

35.1:ニューロンとグリア細胞
35.2:ニューロンの通信方法
35.3:中枢神経系
35.4:末梢神経系
35.5:神経系疾患

第36章 感覚系

36.1:感覚プロセス
36.2:体性感覚
36.3:味覚と嗅覚
36.4:聴覚と前庭感覚
36.5:視覚

第37章 内分泌系

37.1:ホルモンの種類
37.2:ホルモンの働き
37.3:身体プロセスの調節
37.4:ホルモン産生の調節
37.5:内分泌腺

第38章 筋骨格系

38.1:骨格系の種類
38.2:骨
38.3:関節と骨格の動き
38.4:筋肉の収縮と運動

第39章 呼吸器系

39.1:ガス交換のシステム
39.2:呼吸面を横切るガス交換
39.3:呼吸
39.4:人間の体液中におけるガスの輸送

第40章 循環器系

40.1:循環器系の概要
40.2:血液の成分
40.3:哺乳動物の心臓と血管
40.4:血流と血圧の調節

第41章 浸透圧調節および排泄

41.1:浸透圧調節と浸透圧平衡
41.2:腎臓および浸透圧調節の器官
41.3:排泄系
41.4:窒素性廃棄物
41.5:浸透圧調節機能のホルモン制御

第42章 免疫系

42.1:先天性免疫反応
42.2:適応的免疫反応
42.3:抗体
42.4:免疫系の混乱

第43章 動物の生殖と発生

43.1:生殖方法
43.2:受精
43.3:人間の生殖の解剖学的構造および配偶子形成
43.4:人間の生殖のホルモン制御
43.5:人間の妊娠と出産
43.6:受精と初期胚発生
43.7:器官形成と脊椎の形成

ユニット8:生態学

第44章 生態学と生物圏

44.1:生態学の範囲
44.2:生物地理学
44.3:陸上生物群系
44.4:水中生物群系
44.5:気候とグローバルな気候変動の影響

第45章 個体群と生物群集の生態学

45.1:個体群の人口統計学
45.2:生活史と自然選択
45.3:個体群の増大に対する環境的な制限
45.4:個体群の動態と調節
45.5:人間の人口増加
45.6:生物群集生態学
45.7:行動生物学:行動の直接の原因および究極の原因

第46章 生態系

46.1:生態系の生態学
46.2:生態系を通じたエネルギーの流れ
46.3:生物地球化学的循環

第47章 保全生物学と生物多様性

47.1:生物多様性の危機
47.2:人間の生活に対する生物多様性の重要性
47.3:生物多様性に対する脅威
47.4:生物多様性を保護する

付録

付録 A:元素の周期表
付録 B:地質時代
付録 C:測定とメートル法

序文

OpenStax の資料である「生物学 第2版」へようこそ。この教科書は、ほとんど、あるいはまったく費用をかけずに最高水準の学問的厳密性を維持しながら、質の高い学習教材への学生のアクセスを向上させるために書かれたものです。

OpenStax について

OpenStax はライス大学に拠点を置く非営利団体です。教育への学生のアクセスを改善することが私たちの使命です。私たちの最初のオープンな形でライセンスされた大学用の教科書は、2012年に出版されました。それ以来私たちの図書館は、大学とAP®コース用の25冊以上の本を備えるほどに拡大され、それらは数十万人の学生により使用されています。低コストでパーソナライズされた学習ツールである OpenStax Tutor は、全国の大学の講義で使用されています。慈善団体とのパートナーシップと他の教育リソース機関との提携を通じて、OpenStax は学習に対する最もありふれた障壁を破壊し、学生や講師の成功を促進しています。

OpenStax の資料について

カスタマイズ

生物学 第2版は、Creative Commons Attribution 4.0 International (CC BY)ライセンスのもとでライセンスされています。これはつまり、OpenStax とコンテンツの作成者に帰属を与える限りにおいて、そのコンテンツを配布、リミックス、別の作品のベースにすることができる、ということを意味しています。

私たちの本はオープンな形でライセンスされているので、あなたは書籍全体を使用したり、履修コースの必要性に最も関連する部分を選んで拾い上げたりすることが自由にできます。あなたのシラバスの中で、特定の章やセクションを好きな順で学生たちに割り当てることによって、コンテンツを自由にリミックスすることができます。あなたはシラバスに、本のウェブビューへの直接のリンクを張ることさえできます。

講師の方には、OpenStax の本のカスタマイズ版を作成する選択肢もあります。カスタマイズ版は、キャンパスの書店を通じて、低価格の印刷やデジタル形式で学生に提供することができます。詳細については、OpenStax.org の書籍ページの講師資料セクションをご覧ください。

正誤表

OpenStax の教科書はすべて、厳格なレビュープロセスを経ています。しかしながら、専門的なレベルの教科書と同様に、誤りが発生することがあります。私たちの本はウェブベースであるため、教育的に必要と思われる時には、私たちは定期的に更新することができます。もしあなたに提案すべき修正がある場合は、OpenStax.org の書籍のページのリンクを使用して提出してください。その主題の専門家がすべての正誤表の提案をレビューします。OpenStax はすべての更新について透明性を保つことを約束しているため、あなたは OpenStax.org の書籍のページで過去の正誤情報の変更のリストを見つけることができるでしょう。

フォーマット

この教科書には、OpenStax.org を介してウェブビューやPDFの形式で無料でアクセスすることができます。また低コストの印刷版を利用することもできます。

生物学 第2版について

「生物学 第2版」は、科学専攻の典型的な2学期の生物学コースの範囲と配列の要件をカバーするように設計されています。このテキストは、進化的なレンズを通して、基礎研究と核となる生物学の概念を包括的にカバーしています。「生物学」には、学生たちを科学的調査に参加させる・生命科学におけるキャリアを強調する・日常的な事柄への適用例を提供するなど、豊富な特徴が含まれています。本書には、学生が主要な概念を理解し、適用するのに役立つ、様々なタイプの練習問題と宿題も含まれています。

第2版​​は、第1版と同じ構成を維持しながら、より明確な、より現代的な、より動的な説明を組み込むように改訂されました。挿絵と画像は大幅に改善されるとともに、この教科書には追加の評価用の問題と関連したリソースがあります。

対象範囲と領域

「生物学」は OpenStax によって出版された最初の教科書の1つであり、2012年以来、数百人の教員と数千人の学生によって使用されています。私たちは、多くの講師がすでにコースに組み込んだ構成を維持する一方で、最も重要な改訂の必要性を特定するために、この教科書を採用した人たちによる広範かつ有益なフィードバックを心に留めました。特定の調査、フォーカスグループ、および改訂前レビュー、ならびに OpenStax Tutor 利用者のデータは、すべて改訂を計画する際に役立ちました。

その結果、生物学の基礎概念を十分に扱いつつ、特定の分野で最新かつ有意義な内容を追加する本を出版することができました。「生物学 第2版」は、その取り扱いが可能な範囲を保持しながらも、学習者をこの分野に引き込むための十分な機能を備えています。

この教科書には章の再編成はなく、(生物多様性を中心にした)セクションレベルでの非常にターゲットを絞った変更だけがあるため、構造的には初版と同様のままです。

ユニット1:生命の化学。私たちが開始するユニットは、学習者が生物学的プロセスを理解するための枠組みを提供するような科学的方法と化学・物理学の基本的概念とを含む、種々の科学を学生を紹介します。

ユニット2:細胞。学生は最も基本的な単位、すなわち細胞の構造、機能、プロセスのしっかりとした理解を得るでしょう。

ユニット3:遺伝学。私たちの包括的な遺伝学のユニットは、DNAの複雑さを通じた遺伝学の基礎を明らかにした初期の実験から、バイオテクノロジーとゲノミクスという生まれつつある研究における現在の応用に至るまで、学習者を導いていきます。

ユニット4:進化プロセス。このユニットでは、進化の核となる概念について、進化プロセスの例を用いて議論がなされます。さらに、生物学における進化の基礎は、この教科書全体の一般的な議論の中で何度も現れ、特定の進化ベースのトピックを強調する特別な囲み記事によって強化されます。

ユニット5:生物学的な多様性。さまざまな生物の詳細な研究と、創発する系統発生関係の議論とによって、生命の多様性が探究されています。このユニットは、ウイルスから細菌のような生物へと移動し、以前は原生生物として分類された生物について議論し、植物および動物の生命に複数の章を割きます。

ユニット6:植物の構造と機能。私たちの植物ユニットは、入門生物学コースに不可欠な植物の基本的な知識を網羅しています。

ユニット7:動物の構造と機能。動物の体の形態と機能の紹介に続いて、特定の身体の系とプロセスに関する章が続きます。このユニットは、生徒をこのトピックにひきつけるのに役立つ人体の解剖学および生理学に焦点を当てながら、すべての生物の生物学に触れています。

ユニット8:生態学。環境保全と生物多様性に関する局所化された現実世界の問題を強調しているこのユニットでは、生態学的な概念を広く取り上げています。

第2版​​での変更点

OpenStax は、教科書の大幅な変更が必要な場合にのみ第2版に着手します。「生物学 第2版」の場合、利用者からのフィードバックは、私たちが以下で行ったように、いくつかの重要な分野に焦点を当てる必要があることを示していました:

明確化、正確さ、および現代性のための内容の改訂。改訂の計画は、必要に応じて章ごとに異なりました。約20の章が全面的に改訂され、概念的な範囲、研究に基づくデータ、より明確な言葉づかいのための重要な更新が行われました。約15の他の章では、改訂は主として読みやすさと明確な言葉づかいに焦点が当てられ、概念や事実に関する変更は少なくなっています。

追加の章末問題。著者たちは、復習と批判的思考の両方の質問を含め、ほぼすべての章に新しい評価用の問題を加えました。追加された内容は合計350個を超えています。

挿絵と画像。多くの著者や科学専門のイラストレーター、特にアクセス面での画像の作成に精通したイラストレーターの指導の下、OpenStax チームは「生物学」のほとんどの挿絵に変更を加えました。あなたは、以下のセクションでその例を見ることができます。改訂は次のカテゴリーに分類されます:
・正確さのための改訂
・より良い理解とインパクトのための再設計
・全体的な一貫性のための挿絵の色彩の再設計

アクセシビリティーの向上。すべての OpenStax の書籍と同様に、「生物学」の初版はアクセシビリティーに重点を置いて作成されました。私たちは第2版で、このアプローチを強調し改善しました。

特定の支援技術を必要とする利用者に対応するため、すべての代替テキストがレビューされ、包括性と明快さのために改訂されました。

色のコントラストを改善するために多くの画像が改訂されました。これは視覚障害のある学生にとって重要です。

全体として、OpenStax のプラットフォームはアクセシビリティーを向上させるために継続的に更新されています。

移行ガイドは OpenStax.org で利用可能であり、第2版での特定の章レベルの変更点が強調されています。

教育的な基盤

教育的な選択、章の編成、学習目標の達成が開発され、徹底的にこの資料を読んで詳細な批判的コメントを提供した100人の個別のレビュアーのフィードバックによって吟味されました。

「進化へのつながり」の特徴は、「代謝経路の進化」や「藻類と光合成への進化経路」などの議論を通して、すべての生物学的研究に対する進化の重要性を支えています。

「科学的方法へのつながり」の注記では、学生が、そのトピックに適用された科学的プロセスのステップを明らかにする実際の実験または思考実験の中を歩むようにします。この特徴には、「細胞周期の段階で費やされた時間を決定する」や「独立組み合わせの仮説を検証する」などが含まれます。

「キャリアへのつながり」の特徴は、生物科学のさまざまなキャリアに関する情報を提供し、微生物学者、生態学者、神経科医、法医学者などのさまざまな職業の教育要件と日常的な仕事や生活を学生に紹介します。

「日常へのつながり」の特徴は、生物学的な概念を新たに生まれる問題へと結びつけ、日常生活の観点から科学について議論します。そのトピックには「チェサピーク湾」と「カタツムリの毒は薬理的な鎮痛剤として使用できるでしょうか?」などが含まれます。

興味をそそる挿絵やアニメーション

私たちの挿絵プログラムは、学生が簡潔で効果的なイラスト、写真、顕微鏡写真を通して生物学の概念を学ぶのに役立つように設計された明快なアプローチを採用しています。「生物学 第2版」には関連するアニメーションやインタラクティブな練習問題へのリンクも組み込まれており、学生にいきいきとした生物学を伝えるのに役立ちます。

「ビジュアルコネクション」は、学生の学習のために各章の中核となる図に注意を向けさせます。主要な図に関する質問(教室で使用できる質問を含む)は、真の理解を確実にするために学生の批判的思考と分析能力を必要とします。

「学習へのリンク」は、より充実した文脈と問題を中核的なコンテンツに追加するために、学生をオンラインのインタラクティブな演習やアニメーションへと案内します。

以下は、「生物学 第2版」で改訂された挿絵のいくつかの例です:

その他の資料

学生および講師の資料

私たちは、学生が学び始めるためのガイド、講師向け解答ガイド、PowerPoint 講義スライドなど、学生と講師のための追加資料をまとめました。講師の資料には、講師の認証済みのアカウントが必要です。このアカウントは、あなたが OpenStax.org にログインまたはアカウントを作成する際に申し込むことができます。これらの資料を活用して OpenStax の本を補ってください。

コミュニティーハブ

OpenStax は、教育における知識管理研究所(ISKME:Institute for the Study of Knowledge Management in Education)とパートナーシップを結んで、OER Commons にコミュニティーハブを提供しています。これは OpenStax の書籍をサポートするコミュニティーが作成した資料を無料で講師が共有するためのプラットフォームです。講師は私たちのコミュニティーハブを介して、追加の付属図、教材、マルチメディア、関連コースの内容などの資料について、自分の教材をアップロードしたり、自分のコースで使用するために資料をダウンロードしたりすることができます。講師の方には、コースを充実させ、他の教員と交流する機会として、あなたの教育と研究に最も関連する科目のハブに参加することをお勧めします。

コミュニティーハブにアクセスするには、www.oercommons.org/hubs/OpenStax をご覧ください。

技術パートナー

私たちの技術パートナーは、高品質の学習教材を利用できるようにするため、OpenStax の書籍と統合された選択的な低価格ツールを提供しています。あなたが選んだ教科書の技術オプションにアクセスするには、OpenStax.org の書籍ページをご覧ください。

著者について

第2版の著者およびレビュアー

責任著者
メアリー・アン・クラーク、テキサス・ウェスレイアン大学
ジュン・チョイ、ジョージア工科大学
マシュー・ダグラス、グランド・ラピッズ・コミュニティーカレッジ

レビュアー
キャスリーン・ベルリン、ボルティモアシティー・コミュニティーカレッジ
ブリジット・ブリントン、アームストロング州立大学
ジェニファー・チェイス、ノースウェスト・ナザレーン大学
エイミー・ホフマン、グレイソン・カウンティー大学
オルガ・コップ、ユタヴァレー大学
ジェニファー・ラーソン、キャピタル大学
ジェイソン・ロックリン、オースティン・コミュニティーカレッジ
ホンメイ・マ、アメリカン大学
メリッサ・マッサ、タルサ・コミュニティーカレッジ
シャノン・マクダーモット、セントラルヴァージニア・コミュニティーカレッジ
ブライアン・モネッソン-オルソン、マサチューセッツ大学アマースト校
アンバー・リース、カリフォルニア州立大学フレズノ校
モニーク・リード、テキサス農工大学
ジェニファー・ロバーツ、アメリカンリバー大学
マシュー・スミス、ノースダコタ州立大学
ドーン・ワンコウスキ、カーディナル・ストリッチ大学

第1版の著者およびレビュアー

責任著者
ヤエル・アヴィッサー(細胞生物学)、ロードアイランド大学
ジュン・チョイ(遺伝学)、ジョージア工科大学
ジャン・デソー(進化)、ノースカロライナ大学チャペルヒル校
ウラディミール・ジュルコフスキ(動物生理学)、サフォークカウンティー・コミュニティーカレッジ
ロバート・ワイズ(植物生物学)、ウィスコンシン大学オシュコシュ校
コニー・ライ(一般的な内容の指導)、イーストミシシッピ・コミュニティーカレッジ、

著者およびレビュアー
ジュリー・アダムズ、オーロラ大学
サマー・アレン、ブラウン大学
ジェームズ・ベイダー、ケース・ウェスタン・リザーブ大学
デイヴィッド・ベイリー、セントノーバート大学
マーク・ベルク、ブリガムヤング大学
ナンシー・ボウリー、アイオワ州立大学
リサ・ボノウ、メトロポリタン・コミュニティーカレッジ・ブルーリバー校
グラシエラ・ブレルズ-マリーノ、カリフォルニア州立大学ポモナ校
マーク・ブラウニング、パデュー大学
スー・チャプリン、セントトマス大学
ジョージ・クライン、ジャクソンビル州立大学
デブ・クック、ジョージア・グウィネット大学
ダイアン・デイ、クレイトン州立大学
フランク・ディリグル、テキサス・パンアメリカン大学
ワニーン・ドーシー、グランブリング州立大学
ニック・ダウニー、ウィスコンシン大学ラ・クロッセ校
リック・ダーコフ、ベイラー大学
クリスティー・デュラン、アダムス州立大学
スタン・アイゼン、クリスチャンブラザーズ大学
ブレント・エワーズ、ワイオミング大学
ミリアム・フェルドマン、レイクワシントン工科大学
マイケル・ファイン、ヴァージニア・コモンウェルス大学
リンダ・フローラ、デラウェアカウンティー・コミュニティーカレッジ
トマス・フリーランド、ウォルシュ大学
デイヴィッド・グリース、テキサス農工大学コーパス・クリスティー校
アンドレア・ハザード、ニューヨーク州立大学コートランド校
マイケル・ヘドリック、ノーステキサス大学
リンダ・ヘンゼル、マーサー大学
マーク・コペニー、ヴァージニア大学
ノーマン・ジョンソン、マサチューセッツ大学アマースト校
グレース・ラスカー、レイクワシントン工科大学・ウォールデン大学
サンディー・ラトゥール、ニューヨーク州立大学プラッツバーグ校
テオ・ライト、シッペンスバーグ大学
クラーク・リンドグレン、グリネル大学
ジェームズ・マルコム、レドランズ大学
マーク・ミード、ジャクソンビル州立大学
リチャード・メリット、ヒューストン・コミュニティーカレッジ
ジェームズ・ミックル、ノースカロライナ州立大学
ジャスリーン・ミシュラ、ヒューストン・コミュニティーカレッジ
ダドリー・ムーン、オルバニー薬科・健康科学大学
ショバナ・ナタラジャン、ブルックヘイブン大学
ジョナス・オケアグ、ファイエットビル州立大学
ディアナ・オリヴェイラス、コロラド大学ボールダー校
ジョン・ピーターズ、チャールストン大学
ジョエル・パイパーバーグ、ミラーズヴィル大学
ジョアンナ・ポーター-ケリー、ウィンストン-セイラム州立大学
ロビン・パッフェンバーガー、ブリッジウォーター大学
デニス・レヴィー、カリフォルニア・ルテラン大学
アン・ラッシング、ベイラー大学
サンガ・サハ、シカゴ・シティーカレッジ
エドワード・サイーフ、ニュージャージー・ラマポ大学
ブライアン・シュマエフスキー、ローンスター大学システム
ロバート・サイズモア、アルコーン州立大学
マーク・スミス、シンクレア・コミュニティーカレッジ
フレデリック・シュピーゲル、アーカンソー大学
フレデリック・スプロール、ラ・ロッシュ大学
ボブ・サリバン、マリスト大学
マーク・サザーランド、ヘンドリクス大学
トゥール・トンプソン、アラバマ農工大学
スコット・トムソン、ウィスコンシン大学パークサイド校
アリソン・ヴァン・デ・ミーン、メルボルン大学
メアリー・ホワイト、サウスイースタン・ルイジアナ大学
スティーブン・ウィルト、ベラーマイン大学
ジェームズ・ワイズ、ハンプトン大学
レナ・ウォルフ
ヴァージニア・ヤング、マーサー大学
レスリー・ゼーマン、ワシントン大学
ダニエル・ズレック、ピッツバーグ州立大学
ショバナ・ナタラジャン、アルコン研究所

この訳文は元の本のCreative Commons BY 4.0ライセンスに従って同ライセンスにて公開します。 問題がありましたら、可能な限り早く対応いたしますので、ご連絡ください。また、誤訳・不適切な表現等ありましたらご指摘ください。この本は、https://openstax.org/details/books/biology-2e で無料でダウンロードできます。

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